WBS特集
自動車メーカー2社
好決算は円安効果か？
円安だけじゃない ～好調！ 日本車の強い工場～
今、国内で生産する自動車メーカーの業績が好調です。…その理由は円安だけではないようです。…2013.7.31日、自動車会社各社が今年4～6月期の決算を発表した。
富士重工業 高橋充CFO
「自動車の販売台数は、第1期として過去最高とばりました」
マツダ 藤本哲也 執行役員
「全ての利益レベルで大幅増益を達成しました」
国内生産がメインの両者の好調は、アベノミクスによる円安効果と伝えられた…しかし、製造現場の思いは違っていた。
富士重工業 群馬製作所 渡辺郁夫 技術課長
「積み重ねてきた工夫や知恵がつながっていて身になっている…」
マツダ 本社工場 宮脇克典マネージャー
「もし円安がなくても同じ成果が出せたと思います」
円安だけじゃない
好調！ 日本車の強い工場
広島県府中町にあるマツダの本社工場、国内で生産する88万台の内、8割を海外に輸出している。その為、為替の影響を受けやすく、リーマンショック以降の円高局面では、4期連続の赤字に陥った。
そのマツダが昨年度、5年ぶりに黒字を回復した。
マツダ 菖蒲田清孝 常務執行役員
「業績回復のポイントは、円安ではなくて『物造り革新』です。円高の状態でも収益が出る体制に出来た」
マツダが進めてきたモノ造り革新
エンジンの製造を担当する宮脇さん…「エンジンの骨格となるシリンダーブロックの製造工程も以前と大きく変わった」 という。
従来はエンジンの種類ごとに専用ラインを作る必要があった…設備投資が大きな負担になっていた。その投資コストを抑える為にマツダはエンジンの開発から見直した。
3つのエンジンがそっくり！
可能な限り、形の共通化を進めたのだ。
そして汎用ラインを導入、どんなエンジンも1つのラインで製造され工程も4つに集約された。
専用ラインが必要なくなり、設備投資は7割以上削減できた。…スカイアクティブ搭載車の利益は、従来のマツダ車の3.5倍となった。
昨年度の増益要因を見ても…
1位 モノ造り革新 +367億円
2位 スカイアクティブ販売 +338万円
3位 円安効果 +184憶円
（2013年3月期）
…円安が要因でない事が一目瞭然だ。
マツダ 本社工場 第3エンジン課 宮脇克典マネージャー
「まあ…円安を差っ引いても目標の利益は出していけてる」
好調！日本車の強い工場
スバルの ”チョコット能増”
富士重工業の群馬製作所、国内で生産する58万台のうち、65パーセントを海外に輸出している。…その工場ではロボットが所狭しと並ぶ。
マツダの『チョコット能増』とは、使える空間をフル活用し、工場を新たに新設する事無く生産増を図る手法です。
富士重工業は、工場を新設することなく、2年で生産能力を10万台引き上げた。…チョコット能増とは、工場を拡大せずに能力を増強するノウハウなのだ。
見ると床から天井までロボットで埋め尽くされています。…工程のプログラムを即座に変える事の出来るエンジニアが作業員にいることも『チョコット能増』を支える要因となっています。
富士重工業 群馬製作所 渡辺郁夫 技術課長
「円安になったのは、たまたまで…やる事やれば利益は出ます。…関係ないですよ」
■好調な自動車メーカー…その工場には、円高にも対応しようと見に付けたしなやかな強さがあった。
■円高がまた日本の製造業を強くしましたね…外国には絶対出来ないね…日本の物作りは死んでませんでした。
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