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週刊ダイヤモンド http://diamond.jp/articles/-/17781

牛丼1杯を作るために必要な水は何トン?

水危機は“生きられるかどうか”の問題なのだ
人類初の哲学者と呼称されるタレス(紀元前6世紀)は、「万物の根源であるアルケーは水である」と述べたと伝えられている。やはり古代ギリシアのエンペドクレスは、水、空気、土、火を4つのリゾーマタ(元素)とし、それの集合や離散によって自然界のできごとを説明する四元素説を唱え、アリストテレスに継承された。

この4つの要素に空を加えた五大思想は古代インドで唱えられ、同時代の中国においては、万物は木・火・土・金・水の5種類の元素から成るとする五行説が唱えられた。

つまり水は万物の基本となる元素であると、古代の人たちは洋の東西を問わず考えていた。そしてこれは、古代だけに限定された話ではない。質量保存の法則などを発見したアントワーヌ・ラボアジェが、酸素と水素が燃焼して水になると発表したのは18世紀。つまり水について人類が正しい知識を得たのは、つい最近ということになる。

まあでも、それも当たり前なのだろうなとは思う。中学生とのときに(小学生かな)理科の授業で、水は水素と酸素からできていると習って、何となく面喰ったような記憶がある。理屈は理屈としても、実感がなかなか追いつかない。

水素と酸素が結合したらなぜ水になるのだろう。あまりに異質すぎる。どうしても納得できない。だから水の組成を知ると同時に多くの子どもたちは、「どうやらこの世界は、多くの未知と不可思議で成り立っているらしい」と気づくのかもしれない。

『ブルー・ゴールド:狙われた水の真実』は、水が枯渇した地球を舞台としたSF映画を考察していたサム・ボッゾが、たまたま読んだ『「水」戦争の世紀』(モード・バーロウ、トニー・クラーク著)にインスパイアされて監督したドキュメンタリー映画だ。公開は2010年。サム・ボッゾはこの映画について、以下のように語っている。

「この映画を作らねばならないたったひとつの理由がある。社会的には、環境問題は二酸化炭素の排出と地球温暖化に絞られているように見える。でも、地球が温暖になっても人類は生き延びるだろう。地球温暖化は“どうやって”生きるかの問題だが、水危機は“生きられるかどうか”の問題なのだ。だから、私はこの映画を作った」(公式ウェブサイトから引用)

作品として優れているかどうかはともかくとして、この映画には水に関する驚くべき諸問題の情報が、ぎっしりと詰め込まれている。一部の政治家や企業に独占された水の利権が、途上国の人々を苦しめ、搾取し、水をめぐって人々が殺し合う状況すら起きている。


日本は大量の水(仮想水)を輸入する国でもある
地球は水の惑星と呼ばれる。青く見える理由は海水で覆われているからだ。でも人類が利用できる淡水は、地上にある水の1%未満にしかすぎない。

つまり水はこの地球(とすべての生きもの)にとって、主要でありながら微量な必須元素でもある。今この瞬間も10億を超える人々が、水を充分に摂取できなくて生死の境目に置かれているという。

カルキ臭を我慢しさえすれば水道水が普通に飲める日本に暮らす多くの人は、水を求めて戦争すら起きているとの現状告発に、あまりぴんと来ないかもしれない。詩人のアーサー・ビナードはいつもペットボトルを持ち歩いているが、中に入っているのは水道水だ。どうして水道水を? と訊ねた僕にビナードは、日本の水道水は安全です。なぜわざわざミネラル・ウオーターを買おうとするのか不思議です、と首をかしげた。

確かに日本は、飲用としての水には困っていない。でも農産物や畜産物として他国の水(仮想水)を、実質的には輸入している。つまり食料自給率が低いこの国は、必然的に水輸入大国でもある。仮想水についての算出は簡単ではないが(農耕や畜産のやりかたでかなり違う)、例えば牛丼1杯を作るためには2トンの水が消費されているとの試算がある。

イギリスの非営利団体ウオーターワイズは、ジーンズを1本作るためには最大1万1000リットルの水が使われ、1ドル未満のハンバーガーには2400リットル以上の水が必要だとの試算を発表している。利潤や政治的利益のために水資源を独占しようとする企業は、ボトル・ウォーター・ビジネスで世界中から利益を吸い上げる構造を作りあげる。そういえばタイに到着したその日、僕もコンビニでネスレのミネラル・ウオーターを買っていた。


日本が捨てる食料は年間で5000万人分に匹敵する
『ブルー・ゴールド:狙われた水の真実』には、「ネスレ」や「スエズ」や「コカ・コーラ」など、水を商品化して独占しながら利潤をあげようと画策する多くの水企業が登場して、激しく告発されている。

飽食の先進国が栄養失調や飢餓に苦しむ途上国から食料資源を収奪する問題を告発したドキュメンタリー映画『ありあまるごちそう』(2011年)では、ラストにネスレのCEOであるペーター・ブラベックがインタビューに応じ、「私たちは世界中で仕事を生み出し、安い製品を生み出し、飢えの問題にも取り組んでいる」と語りながら、「この国は素晴らしい」と社内モニターの映像を示す。

そこに映し出されるのは、ロボットが制御する日本の無人工場だ。日本は年間5800万トンの食糧を輸入しながら、その3分の1である1940万トンを捨てている。食糧廃棄率においては世界一だ。

世界では今も、1日5~10万人の人たちが、飢えで亡くなっている。日本が廃棄する食料は、年間で5000万人分の食料に匹敵する。そしてもちろん、廃棄される仮想水の量も莫大だ。

観終えてから、ずっと考えている。ペーター・ブラベックCEOは、なぜ日本をあれほど熱っぽく賞賛したのだろう。そして『ありあまるごちそう』の監督であるエルヴィン・ヴァーゲンホーファーは、なぜこのシーンをラストにしたのだろう。

折しもこの4月から、世界最大の水事業会社であるフランスのヴェオリア・ウォーターが、松山市の水道業務を受託することが決定した。ヴェオリアが関わる浄水場の給水量は1日当たり14万トンで、松山市に暮らす人口の9割強に当たる48万人に水を供給するという。なぜこれがもっと大きなニュースにならないのかが不思議だ。

ちょうどここまで書いたとき、2040年までに世界の水不足はさらに深刻化して地域情勢の不安定化や紛争を招く恐れがあると分析した報告書を、3月22日(つまり昨日)に米国家情報長官室が発表したとのニュースを、ネットで見つけた。

水不足の主な要因として情報長官室は、人口増加、経済発展、気候変動を挙げている。水資源の独占によって利潤を肥やそうとする大企業の存在が要因から抜け落ちているけれど、いずれにせよ状況は本当に深刻なのだろう。


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