イスラムとの共存・・歴史に学ぶ世界の今と未来 | 現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。

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イスラムとの共存についてアジア・アフリカ言語研究所所長 大塚和夫氏に聞く(宝島より)

Q:私たちはイスラムを「中東の宗教」であると考えがちです・・しかし、実は東南アジアや北アフリカなどにも多くのムスリムがいますよね・・それは何故でしょうか?
インドや東南アジアにムスリムが多いことは、多くの日本人にとって意外に感じるみたいですね。しかしそれは日本の世界史教育が西洋からの視点を中心に教えられているからなんです。

教科書を開くと、イスラムは7世紀にアラブで成立し、わずかの期間で戦争を通じてイベリア半島や中央アジアにまで拡大したと説明されています。・・しかし、「その後はどうなったのか」 については、よくわからないままなんです。

いきなり記述が飛んでオスマン帝国時代までいってしまう(笑)・・しかし、イスラムが本当に世界の各地に広まったのは、この「教科書に載っていない期間」のことなんです。

この時期のイスラムは、主に商業活動を通じて伝播していました。軍事的な征服も一部ありましたが、平和的手段によるものが主流です。

ここでは東西を結ぶ陸と海の交易が大いに関係してきます・・例えば中国には数千万人規模のムスリムがいりことはご存知ですか?・・その理由を考えるには、シルクロードの存在が鍵となってきます。

また東南アジアの島嶼部や東アフリカのムスリムの祖先は、インド洋交易、海のシルクロードでのムスリム商人との接触から改宗した人々です・・他にもサハラ以南のアフリカにおけるイスラムの伝播にはサハラ交易が重要な役割を果たしていたということが言えます。

事実、アフリカの「サヘル」や「スワヒリ」などの言葉の語源は、アラビア語の「サーヒル(岸辺)」とその複数形なんです。アラブ商人の活動の影響が見て取れます。


Q:では、以前は非常に広範囲に展開していたイスラムの社会が近代化に乗り遅れて西洋の侵略を受けたのはどうしてなのでしょう?
「乗り遅れた」という表現は西洋社会を前提としたものですよね・・むしろ私は西洋の歴史の方が特殊なんだとおもっていますよ(笑)。

市民革命や産業革命・科学革命などは、他の地域の歴史では起こっていないのです・・ですが、これらによって軍事・経済力を蓄えた西洋の列強が力ずくで世界を支配していったのが19世紀という時代なんです。

イスラム地域だけでなく、中国もインドも植民地や半植民地になりました・・アジア東部で列強の支配や圧迫に屈しなかったのは日本とタイくらいなものですよ。・・だから、やはり日本の歴史も特殊なんです・・その視点だけで眺めると、歴史を見誤ってしまうのではないでしょうか。


Q:私たちの「自明の前提」を疑ってみよう、ということですね。それは歴史観だけでなく宗教観についてもいえそうな気がするのですが、いかがでしょうか?
そうですね。同じ「宗教」でも、たとえば日本の神道とイスラムとの間には質的に大きな差異があります・・というよりも、ユダヤ教、キリスト教、イスラムと連なる一神教的な「アブラハムの宗教」とは異なるというほうがよいでしょう。

その大きな相違点は、唯一神によって世界が「創造」されたという点にあります・・人間も創造されたものです。

キリスト教では「神の子」イエスをどう考えるかという問題がありますがイスラームの場合、神と人、両者の間には絶対的な隔たりがあります・・預言者ムハマドも人間であり、神ではありません・・日本の神道や仏教では人間が神や仏になると普通に考えられていますが、これはイスラームでは、まったく受け入れられない発想なのです。

もっともご利益を求める聖者信仰が一部で見られますが、その場合でも聖者が神、つまりアラビア語でアッラーと呼ばれることは決してありません。


Q:西洋の列強に侵略されたイスラム社会は、どのような意識を持って対抗して行ったのでしょうか?
19世紀末から20世紀の中頃にかけて、帝国主義的な支配への抵抗・独立運動が起こってきます・・ここで支えとなった思想は、中国やインドなどど同じく「ナショナリズム」でした・・エジプトのナセルなどが代表的な人物ですね。

もちろんイスラムという宗教も彼らにとっては非常に大事な要素でした。しかしそれは当時では「アラブ人」や「エジプト人」としての意識の陰にあって潜在的な影響力をもつにとどまっていたのです。

人間や社会はいろいろな側面を持っていますよね。そこでどんなアイデンティティをベースにするかが重要です・・20世紀の中盤までの時代は、宗教よりも国家や民族に重きを置く人々がアラブ世界のイニシアチブを握っていたといえるでしょう。

彼らは西洋の国民国家のシステムと近代化への流れを受け入れながら、国作りを進めていったのです。


Q:それでは、自らのアイデンティティに宗教を据える人たちが出現することもあるのでしょうか?
その考えはいわゆる「イスラム主義」というものにつながります。彼らは西洋の枠組も十分意識していましたが、そこであえてイスラームを自分の中心に据えて政治的なイデオロギーにするんです。

普通、西洋や日本などの先進国の意識だと「近代化=脱宗教化」というふうに考えてしまいがちなのですが、イスラーム社会ではこういう動きが出てきたのです。


Q:それが政治的に力をもつのはいつ頃からですか?
直接の芽生えは20世紀の前半からでしょうか・・ただ、それが政治の前面に出てくるのは1970~80年代からでしょうか。

ちょうど冷戦の緊張が緩和して、「右」「左」のイデオロギーが緩む時期です・・宗教や宗派の集団が、ある種の「民族」のような形で結集して、互いにぶつかり合う状況が出現するんです。

これはエジプトのイスラーム主義の潮流がひとつの例です・・もかにも宗教が政治の表舞台に登場する局面はこの時代に集中していますね・・イラン革命も、インドのヒンドゥー至上主義も、アメリカのキリスト教根本主義もそうですね。

これは20世紀後半の世界に出現した大きな流れだと言えるでしょう。


Q:近年の「原理主義」テロリズムにも連想がおよんでしまいますが?
イスラム主義は、一枚岩ではないことに注意が必要です・・多くのムスリムは、過激派の極端な行動には批判的です。

過激派の内部でも、かつての左翼運動とも少し似ていますが、いろんな派が生まれてしまうんです・・現在の世界各地で多発するテロは、グローバル化の進展で、その手法や人員が世界各地の紛争地域へ同時に拡散しているという要因もあります。

欧州の移民問題とも関係しますしね。これらは21世紀の世界に出現した新たな局面だといえると思います。(2008年のインタビュー・・・大塚氏は、2009年4月 脳幹梗塞にて死去しています)


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