NHK クローズアップ現代
町工場 アジアの先生になる・・ベトナムで日本の町工場が挑む ”先生ビジネス”
経済成長著しいベトナム、今、自国ブランドの乗用車を開発しようとするプロジェクトが動いています・・そこで教えているのは日本人、大手自動車メーカーではなく名古屋の町工場の技術者です。
世界有数と言われる日本のもの作りを教える ”先生ビジネス” に乗り出したのです。
先生ビジネスには、もう一つの狙いがあります。中小企業ならではのフットワークの良さを活かして現地の細かなニーズを掘り起こそうと言うのです。・・それが日本国内で雇用を増やす事につながるのです。
社員の持つ技術を武器に海外に進出した町工場です。企業が自らもの作りを教える先生ビジネス、設備投資のいらない、リスクの少ない海外進出で次への活路を見出そうというのです。
ベトナムの首都ハノイの郊外にビナスキ社があります。従業員870名、中国や台湾から部品を買い集めトラックを組み立てています。・・2年前からより高度な技術を必要とする乗用車製造に乗り出しました。
そこへ乗り込みもの作りを教える新たなビジネスを始めたのが名古屋の金型メーカー 「ナガラ」 です。・・一線級の社員5人を常駐させ車の部品作りを一から教えています・・一人当たり、月50万円の教授料を受け取る先生ビジネスです。
先生として尊敬や信頼を得る事が出来れば将来このメーカーが成長した時に日本から金型を購入してくれる。すでに1億5000万円分の金型の受注に成功しており、ゆくゆくは国内製造部門の雇用を増やして行けると考えています。
金型メーカー ナガラ・・従業員113名、自動車メーカー、電気メーカーの下請けとして金型を作り続けてきましたが大手メーカーが海外に工場を移す動きが加速、ナガラの注文は大幅に減少していました。・・そんな中、飛び込んできたのがベトナムのメーカーが金型作りの先生を探しているという情報でした。
ナガラ 早瀬実 社長
「ベトナム 海外へ出ますとまだまだ我々の技術は求められている・・非常にそこに明るさを感じました」
■時代が変わり今、新興国は国内で産業を作ろうとしています・・自動車メーカーが新興国に工場を作りのは困るのです。・・自前で自動車産業を作りたいのです。
■以前は、直接投資として工場を作って雇用をしてほしかったが新興国の必要とするものが変わってきたのです。
■ここに中小企業のチャンスの時代が来たのです・・日本の中小企業の技術が必要とされてきたのです。
■「技術の流出だ！」、「国益を損ねる」 なんて事言う人がいますがベトナムなどの新興国のもの作りに必要な技術は教えてあげてもいいじゃない・・更に先端を行く技術を開発する事こそが日本の使命だと思いますね。
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