2030年 新築住宅6割に太陽光発電が義務化!? | エコロジーライフ ECO得ブログ

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【国土交通省】


2030年新築戸建ての6割に太陽光、達成に向け1,384億円


国交省の2022年度予算の概算要求がまとまった。

今回の概算要求の柱は3つだ。ひとつ目が、地球温暖化の影響を受け激しさを増す風水害や地震災害への対応、ふたつ目が2050年脱炭素、203046%削減に向けたグリーン化、最後がポストコロナ対策である。

なかでも重点的な予算配分をしたのが、住宅や建物の脱炭素化などだ。2,135億円を計上した。

国交省が所管する運輸、民生(家庭・業務)部門は、日本のCO2排出量の約5割を占めており、とりわけ民生部門の排出量は約3割と多く、脱炭素実現には大幅な削減が欠かせない。

国交省や経済産業省、環境省の3省は2030年までに新築住宅の6割に太陽光発電を導入する目標を掲げており、実現に向け、国交省は前年度比36%増となる1,384億円を計上した。

具体的には、建設から撤去までのライフサイクルにおけるCO2排出量がマイナスとなるLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅や、徹底した省エネと太陽光発電などの再生可能エネルギーを搭載した脱炭素住宅であるZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)などの普及拡大に向けた支援の強化。また、ビルなどの建物の脱炭素化に向け、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)の支援も強化する。

さらに、新築だけでなく既存住宅の支援も拡充することで、一般家庭の省エネを加速させたい考えだ。

国交省では家庭の省エネ促進に向け、2025年度から新築住宅を対象に外壁や窓などの断熱性能を高めることで省エネ基準を満たすよう義務化する方針だ。すでに8割を超える新築住宅が省エネ基準に適合しており、義務化に対する反発も少ない。

ところが、5,000万戸を超える既存住宅で省エネ基準を満たすのはわずか11%。一般消費者にとって、費用がかかる省エネ改修は負担が重く、既存住宅における省エネ促進は長年の課題だ。国交省では既存住宅の省エネ改修への支援も強化する。一部報道では、1件あたり最大で50100万円の補助をする方向で調整しているという。

このほか、ZEHへの取り組みが遅れる中小工務店なども支援する。



【経済産業省】


経済産業省は国土交通省や環境省とともに、2030年までに新築戸建て住宅の約6割に太陽光発電を導入する新たな目標を掲げる方針だ。経産省は次期エネルギー基本計画の素案をとりまとめ、2030年度の再エネ比率を3638%に引き上げるとしたが、実現には再エネのさらなる積み増しが欠かせない。新築戸建てへの設置を拡大することで太陽光発電7GW、発電電力量約90kWhの上積みを目指す。

経産省は7月27日に開催された「第13回再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」で、新たな住宅太陽光の導入目標の検討に入ったと報告した。

国交省の住宅着工統計によると、2020年度の新築住宅の着工戸数は前期比約8%減の81万戸だった。このうち2割を占めるのが大手ハウスメーカーによる注文戸建てであり、高い断熱性能と太陽光発電を搭載したZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)化率は年々上昇し、48%となった。

一方、全体の5割を占める中小工務店のZEH化率は8%、全体の3割を占める建売戸建てのZEH化率はわずか1%にとどまり、中小工務店や建売戸建てのZEHはほとんど進んでいない。

経産省などは、2030年までに大手ハウスメーカーの注文住宅9割に太陽光発電を載せ、中小工務店、建売戸建ての太陽光搭載率を5割に引き上げることで、全体で約6割の導入を目指す。太陽光発電の導入量は7GW、発電電力量は約90kWhとなり、再エネのさらなる積み増しを狙う。

住宅ローン減税の見直しなど、消費者負担の軽減を

政府は温室効果ガス203046%削減など脱炭素を目指し、再エネを最大限導入する方針だが、2030年まであと9年しかない。だが、切り札とされる洋上風力発電は完成までに10年程度かかる。46%達成は、他の再エネに比べ設置が容易な太陽光発電をどれだけ増やせるかにかかっている。

ただ、太陽光発電も大規模な発電所を建設できる適地が減り、さらに開発中の森林伐採や、台風などで太陽光パネルが飛ばされるといった地域トラブルが増加し、大規模発電所の開発は難しくなっている。

そこで経産省などは住宅やビルなどの建築物の屋根の利用し、太陽光発電を増やしたい考えだ。

だが、実現には一般消費者の負担軽減が欠かせない。

経産省は「集中した財源投入が必要だ。ZEHの導入支援や再エネの買取制度(FIT制度)、事業者や一般消費者への情報提供などで、目標達成を目指す」としたが、タスクフォースの委員は「住宅ローン減税の要件を見直し、ZEHや太陽光発電を優遇すべきだ」などと住宅ローン減税の見直しの必要性を指摘した。

住宅の脱炭素化は、住まい手に電気代の削減や、冬暖かく夏涼しいといった健康で快適な暮らしを提供する。またハウスメーカーや中小工務店にとっても、住宅着工戸数が減少するなか、住宅単価をあげられ収益アップにつながる。金融機関も住宅ローンの拡充が可能だ。

それだけに、「7GWでは低すぎる」「2025年にも太陽光発電を設置義務化すべきだ」といった意見も出された。

経産省などは検討を重ね、新築住宅に関する新たな目標を近く正式に表明する予定だ。


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