いわきから煙草が消えた。
私の学生時代の親友が
いわきに住んでいる。
幸い、震災の被害も少なく
家族もご無事だとのこと。
ただ、原発の影響は深刻で
いわきの街はゴーストタウンとなっている。
彼女もつい最近まで
大宮の弟さん宅に避難していたらしいが、
仕事があるので、
先週末にいわきに戻った。
彼女はバツイチ、シングルマザーで
会社経営者。
滅多に弱音ははかない。
今回も私の心配そっちのけで、
子供や両親、会社を守っている。
そんな彼女から
【ヘルプ!】というメールがきた。
何事かと思ったら
煙草を送ってほしいという内容だった。
大宮からいわきに帰ったその日に
煙草を買おうと思ったら
どこにも売っていないという。
震災の影響で
日本たばこが3月30日より
しばらく出荷をストップすると
発表したからだ。
↓
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110325/biz11032515280041-n1.htm
ヘビースモーカーの彼女にとって
水よりもガソリンよりも
何よりも煙草が必要らしい。
煙草を調達して
宅急便で送ろうとしたところ、
彼女の住所近辺は危険地帯なので、
いつ届くか約束できないという。
彼女は心配かけまいと気を使って
平静を装っているが、
すごく心配になって
翌日、いわきに向かった。
いわきに向かう前に
必要なものをきくと
「ビール」だと・・・
本当に明るいやっちゃ!
いわきの街の
海から離れているところは
ところどころ震災の被害はあるものの
家はほとんど形を残しているので、
表向きはあまり普段と変わらないように見える。
でも、人は全く歩いていない。
ガソリンもまだ、簡単に手に入らないので、
買い物だけ行ってすぐに帰って家にいるという
状況だそうだ。
関東や関西に親戚がある人は
ほとんど移住してしまって
どんどん人がいなくなっている。
実際、彼女の会社も
社員の半分は移住したり、
ガソリンがなくて出勤できない人がいる。
仕事したくても
資材が入らなかったり、
取引先と連絡がとれないという状況でもある。
そんな中、
彼女はいわきに残って、
気丈に子供や両親や会社を
守ろうとしている。
原発で深刻ないわきにいるとは
思えないくらい、
私は彼女と二人で
ビールをたらふく飲んで、
何時間も語り合い続けた。
彼女は幸せそうに
煙草をぷかぷか吸っていた。
彼女いわく
「これを機会に禁煙するという人も
いるかもしれないけど、
禁煙とは平和な時にするもの。
煙草がなくなるかもしれないという
新たなストレスには耐えられない。」
最近の私は
どちらかというと嫌煙家だが、
彼女の喫煙を心から応援したい。
そして私は彼女から
たくさんの勇気をもらった。
東京の産業も
震災によって多少なりとも
大変ではあるけれど、
落ち込んでる暇はない。
彼女がたくさん煙草を吸って
美味しくビールを飲めるように
前に進もう!
カナ、ありがとう。