【太原(中国山西省)工藤哲、上海・隅俊之】中国山西省太原市の共産党委員会庁舎前で起きた連続爆破死傷事件で、地元公安当局は7日までに、現場に設置されていた監視カメラから犯行に使われた乗用車を突き止めた。犯人は事件発生の40分前に爆弾設置を終えており、時限式爆弾が使われていたとの見方を強めた。公安当局は犯人が周到な計画のもとに爆破を企てていたとみて、絞り込みに全力を傾けている。

【強い衝撃】金属片散乱 通勤時間帯狙う

 中国紙「第一財経日報」などによると、公安当局は、庁舎付近に設置された高精度の監視カメラにより、犯人が使った車両は黒色の乗用車▽6日午前7時ごろには爆弾の設置を終えた--などと特定した。この型の乗用車は中国では、安価な大衆車と位置づけられている。



 爆弾は直径2~3センチの金属球やクギが詰め込まれた殺傷能力の高い手製爆弾とみられる。午前7時に設置され、7時40分に爆発したことから、時限式爆弾だった可能性が高まっている。



 また、香港フェニックステレビのサイトによると、最初に庁舎にある陳情受付窓口近くの植え込みで爆発が起き、その数分後に十数メートル離れた路上のミニバンなどが爆発したという。その後も複数の箇所で爆発が続いたという。



 地元住民の話によると、庁舎には地元政府に不満を訴える住民らの抗議行動が相次いでいたという。通勤時間帯を狙っていることから、当局は党関係者の殺傷を目的とした事件との見方を強めている。