元々、直営店でノウハウを確立した後にフランチャイズ展開をする計画をしていた。全て直営では資金が続かない。
現実面でも資金の問題は深刻だった。臨海副都心店がある程度成功しつつあるとは言え、まだ充分な収益を出せる状態では無かったし、先行した2店舗の赤字がある。
それだけに「フランチャイズを募集すれば加盟金等で一時的に資金を得られる」というのは魅力だった。
ちょうどその頃、臨海副都心のお店はTVや雑誌にも取り上げられ話題になっていった。TVを見た人から、
「フランチャイズ店になりたい!」という申し出が出てくるようになった。
僕たちは真剣に悩んだ。
・加盟金で一息つける可能性がある。マスコミに取り上げられている今は好機だ!ぜひ募集を推進しよう!
・いや、まだ自分たちも充分な収益を出すモデルを確立していない。もう少し自分たちだけで力をつけてから募集するべきだ。
経営メンバー4人の中で、この議論は続いた。
そしてこの議論が思わぬ方向へ飛び火していくのである。