天気予報をどんなにあてにしても仕方がない。


臨海副都心はお台場海浜公園のイメージが強く、雨が降ると人は出てこないし、晴れると混む。

食材については生物(ナマモノ)以外は倉庫にストックできるので、そのストック量で調整できる。

しかし人のシフトは1ヶ月前に組むので、詳細な天気状況までは織り込めない。


さてどうするか?


天気は2~3日前になれば大体予測がつく。そこから急いでシフトを修正するのだ。


晴れて気温が上がると分かれば、そこから急いで電話する。


「頼む!今度の週末、急なんだけどバイト入ってくれ!」


雨だと分かれば、その逆だ。「ゴメン!今回ははずれてくれ!」


そのためには、普段から無理をきいてもらえる関係づくりが大切だ。


それとともに重要なのが、アルバイトのキャリアプランを提示すること。


アルバイトの側から見れば、レジ~調理まで、何でもできるバイトは重宝なので自由にシフトを選べ、一部分しかできない人はそのニーズがある時しか入れない、ということを分かってもらうのだ。

やがて、何でもできるバイトは自分の方から「これだけシフトに入りたい。」という希望がとおるようになる。

いつまでも仕事の幅を増やせない人は、希望が通らないので辞めていく人も出てくるがそれは仕方が無い。


全然人が集まらずに心細い船出の臨海副都心店だったが、気づいたら100名以上のスタッフを抱える人気店となっていた。

中には、アルバイトでも店長補佐業務をこなし、次期店長候補の人も育ってきた。そういうアルバイトの中のリーダー格の人が新しく入ったアルバイトの人を教育していく体制が整ってきていた。


業務も安定化してきたある日店の電話がなった。


「江東警察のものですが、店長さんいますか?」