三軒茶屋・早稲田と売上的には厳しかったが、「世の中に無いコンセプトのファーストフードを立ち上げた」ということで業界の中では注目を集めるようになってきた。
そんな中で、3店舗目の出店について、東京都から相談があった。
臨海副都心・・・今でこそお台場やビックサイト、大江戸温泉などなど有名になったが、当時は都市博の中止もあり「本当に人が集まるのか?」不安な状況だった。
都の第3セクターである都市開発会社も、都市博前に誘致したテナントが、都市博の中止により撤退するところが多くなりテナント集めに苦労していたようだ。
打診があった出店場所は、マクドナルドやサブウェイが集まるフードコートの一画。他のお店との組み合わせを考えると「女性にも気軽な中華のファーストフード」というコンセプトがマッチしたらしい。
交渉のテーブルにつくことにした。
出店料、内装代もろもろのコストについては、かなり有利な条件にもっていけそうだった。
問題は「お客様がどれだけ集まるか?」だ。
コストを抑えられても売上が上がらないことには意味が無い。
何せ臨海副都心は文字通り、「孤島」でイベントが無ければ人は来ない。
都市博も無く、ビックサイトやお台場周辺でどれくらい人を呼べるのか?
将来的には、周辺オフィスに入居するテナントを本当に誘致できるか?
いくら試算してもこればかりは答えが出ない。
東京都側への返答期限はもうすぐ。決断の時は迫る・・・