1店舗目の三軒茶屋店のオープンのドタバタが過ぎてから少しずつオペレーションは落ち着いていった。

しかしお客様の足は遠のき、売上は下降線をたどっていった。


まだ十分に1店舗目の分析・反省ができぬままに2店舗目の企画を進めてしまった。


今度は学生の街、早稲田への出店だ。

前回の反省を活かし、万全な準備をしてオープンに備えた。


オープンの混乱はなかったが、今度は売上が伸びない。


事前調査で通行量は充分にあり、競合店の調査でも勝てると判断していた。

しかし戦略の読み誤りがあった。


僕たちの店は、ちょっとおしゃれなファーストフードだったので、食事の単価は若干高く、飲み物はマック同様安い。

その時点でまだセットメニューを開発していなかった。(当時、モスバーガーもセットメニューを出していなかった。)

内容は女性も意識してデザイン的に落ち着く感じに仕上がっていた。


そして地元には学生向けの古くからの定食屋さんが数多くあった。

とにかく量が多く、脂っこくて、安い。店は狭くてガチャガチャしている。


結局、学生は、定食屋でご飯を食べて僕らの店でお茶をするようになった。

お茶1杯で2時間も3時間も粘る。食事はしない。結果、客単価があがらない。

売上がのびない・・・


その後、セットメニューを開発したりいろいろ試したがうまく行かなかった。

飲食店は初めのイメージが重要なのだと悟った。

学生には「あの店はお茶をするところ」とインプットされてしまったのだろう。

皆んなで話し合い、撤退を決めた。