リクルートグループには会社の先輩より外部の人に育ててもらう風土があった。


研修らしい研修は何も無い。名刺100枚獲得のための飛び込み。不動産に関するノウハウは他社のモデルルームに忍び込んで自ら盗むetc・・・「自分で実地で学び取れ!」という感じだった。


そんなわけで新人時代にお取引のあった当時の賃貸業者の方々には本当に感謝している。

業界のことを何も知らない無知で生意気な新人に対して、不動産業界のプロとして、人生の先輩として、人との付き合い方から賃貸営業・未集金回収までのイロハなどなどいろんなことを教えてくれた。


この時期不動産の知識以外にも学んだものが多い。


ひとつは、「縁」の大事さ。これについては以前の記事に書いた感覚 の最も初期の段階でのフィーリングを取引を通じて学んだ。もし不動産取引で間に入った人=「縁」をないがしろにした場合、それが発覚したら業界で生きていけない。


もう一つは「嘘」をつかないこと。不動産の情報は最終的には正確な事実に基づいて書類がつくられ取引される。初めの段階でついた嘘は最後には必ず表面化する。曖昧さを排除しなくてはいけない。どうせわかるなら初めから嘘をついたり着飾らない方がいい。


「嘘をついてるかどうかは目を見れば分かる」と言うが確かにそうだ。


僕がお世話になり「この人はすごい!」と思った不動産業者の人たちは、迫力もあるが嘘をついていない澄んだ目の色をしていた。


そんなすごい人たちにむかって当然僕も嘘をつけない。ごまかしたってすぐにバレてしまうからだ。

精一杯真心で接するしかない。

約束したことは守らなければならない。

やなことがあってもその場から逃げれない。

新人でも会社を代表する責任者は自分しかいない。


そうして鍛えられて人間的に成長していったと思う。


もう一つ人間的に鍛えれたことがある。それはひとつの新聞記事からはじまった・・・リクルート事件である。