高校1年の夏、鞄一つでハンブルグ空港に降り立った。
ヨーロッパ1ヶ月間の一人旅のはじまりだ。
ドイツ→オランダ→ベルギー→フランス→スイス→オーストリア→デンマーク→ドイツ
ユーレイルパスという「学生のみ1ヶ月列車に乗り放題」のチケットを利用して、なるべく移動の車中で寝るようにして、街から街を渡り歩いた。
新しい街に着くと、安宿を見つけてチェックインし、林檎を齧りながら、ヨーロッパの石畳をとにかくひたすら歩いた。
ルーブルをはじめとした美術館、ベートーベンや歴史上の人物ゆかりの場所、ハイデルベルグの古城・・・ものすごい行動力で見て回った。お金が無いし、地下鉄は怖かったので、ほとんで歩いてまわったが、今思い出しても通常じゃ考えられないくらいの移動距離だった。
いろんな人たちとの触れ合いも忘れられない。
ハンブルグの駅で会った日本人のサッカー青年、フランクフルトのビアホールで肩を組んで一緒に飲んで歌ったおじさん達、オーストリアでバスに乗った時両替前でお金が無くて困っていた時さっと小銭を出してくれたおばあさん、デンマークまでの長い道のりで同じコンパートメントで夜中語り合ったドイツ人の女の子達・・・
たいした英語力も無く、その英語さえもほとんど通じないヨーロッパで、どうやってコミュニケーションをとっていたんだろうか?
人間やればできる!
「頼れるのは自分だけ」と開き直れば能(脳)力全開で何でもできるんだ!
と、言うことと、
「コミュニケーションなんて本当に伝えあいたいという強い思いがあればどんな手段でも相手に通じるんだ!」
ということを学んだ。
成田空港に帰ってきた時、ちょっと大人になった自分がいた。