『薬事法施行規則等の改正省令案に日本オンラインドラッグ協会がパブリックコメント提出
2008年9月17日に厚生労働省より発表された、『薬事法施行の一部を改正する省令案』では、インターネット販売による医薬品の販売は『 第三類医薬品以外の医薬品を販売し、又は授与しないこと。』と明記された。
これに対し「日本オンラインドラッグ協会」は2008年10月13日、『薬事法施行の一部を改正する省令案』について、パブリックコメントを提出た。
日本オンラインドラッグ協会はインターネットを通じて、医薬品を販売する薬局・薬店経営者38名(2008年10月現在)からなるNPO法人で、協会理事長はケンコーコム株式会社代表取締役 後藤 玄利氏となっている。
2008年8月には『対面の原則を担保し、安全・安心な医薬品インターネット販売を実現する自主ガイドライン』発表、厚生労働省に提出している。
日本オンラインドラッグ協会としては、この省令案は、明確な理由なく、現在インターネット等を通じて購入ができている、解熱鎮痛剤や風邪薬、胃腸薬、水虫薬、妊娠検査薬、および漢方薬など大半の医薬品について、実態にそぐわない規制強化をおこなうものであり、到底納得できるものではないとしている。
同協会では、一般用医薬品(第三類を除く)のインターネット販売を一律に禁止する定めは不当であるとして、主に以下の理由を掲げました。
【主な理由】
1.インターネットにおいても、専門家による十分な情報提供が可能であること。
2.これまでインターネットで医薬品を購入してきた消費者にとって、多大な不便を強いる規制であること。
3.インターネットで医薬品を販売する事業者のうち、売上の多くをインターネットで占める個人薬局や、郵送での販売を行ってきた中小家庭薬メーカーの経営に多大な影響を与え、官制不況を招きかねない。
4.薬剤師という有資格者が、店頭においては第一類医薬品の販売ができるにもかかわらず、インターネットでは登録販売者も販売可能な第二類医薬品すら販売できないのは制度矛盾である。
5.“対面の原則”を主張するならば、必ずしも医薬品を使用する者に対し直接販売を行わない配置販売においてはそれが認められ、郵送等による販売では認められない理由が明確ではない。
6.本省令案のもととなる検討会について、構成メンバーに偏りがあり、インターネットで医薬品を購入している消費者や、インターネットでの医薬品販売に精通する委員が不在であった。その中で、十分な議論がなされているとは到底言い難い。
7.当協会が厚生労働省に対し提出した、『対面の原則を担保し、安全・安心な医薬品インターネット販売を実現する自主ガイドライン』について、一切の意見や返答のないままに規制が強化されようとしている。
8.既に欧米各国では医薬品のインターネット販売が普及しているにもかかわらず、それを規制強化しようとする本省令案は、世界の流れに逆行するものである。
9.インターネット技術の進歩はめまぐるしく、また電子商取引は国民生活にますます浸透してきている。このような社会経済情勢があるにもかかわらず、インターネットでの医薬品販売を規制することは、将来にわたり、消費者により安心・安全・便利をもたらすインターネット技術や電子商取引の機能の発展を阻み、ひいては消費者が将来享受するはずの便益を損なう。
10.改正薬事法第36条の6等には販売者の医薬品販売にあたり「適正な使用のために必要な情報を提供」する義務(または努力義務)が定められているが、文言上「対面の原則」を求めてはいない。法律上明確な規定がないまま省令で「対面の原則」を求めるのは不当である。
11.現行薬事法において医薬品のインターネット販売が適法であることは厚生労働省も認めており、かつ改正薬事法では同第37条(販売方法等の制限)を改正していない。にもかかわらず、薬事法上適法な医薬品のインターネット販売を、今回は改正されなかった条文を根拠に、省令によって禁止することは、改正薬事法による省令への委任の範囲を越えるものであり不当である。
『薬事法施行の一部を改正する省令案』については、今後、賛否両論ともに様々な論議がなされるものと思われる。