
コナン・ドイル・原案、三好輝先生・漫画の作品の憂国のモリアーティ。
生まれた時の身分で全てが決まる。
一部の上流階級が国を支配する
19世紀末の大英帝国ではそれが当たり前でした。
アルバート・モリアーティは自身も貴族ながら
そんな階級制度をとても憎んでいます。
そんな彼が孤児院で出会った少年とその弟。
アルバートは賢く聡明なその兄弟を
モリアーティ家の養子として迎えます。
彼らの言う「悪い人間を排除すればここは理想の国になる―」とは
そして理想の国の為に彼ら3人の取った道とは――。
憂国のモリアーティのあらすじ!
19世紀末、大英帝国は階級制度という人種差別で
一部の上流階級が国を支配していました。
そんな大英帝国の在り方に疑問を持っているのは
モリアーティ家の長男アルバートでした。
そして彼の弟も用事で町に出るたびに
貴族という地位にいながら気さくに多くの人の相談を受け
町の人からとても慕われていました。
「あれがモリアーティ家の長男のアルバート様に・・・
もうお一方は次男のウィリアム様かな・・・?」
「・・・ウィリアム様はあんな顔だったか・・・?」
ある町の人が不思議に思うのもそのはず。
実は町の人から慕われていたのは実弟のウィリアムではなく
もう一人の弟ルイスと共にアルバートが
孤児院から養子として迎えてきた少年だったのです。
アルバートは孤児院から少年とその弟を
モリアーティ伯爵家に養子として招き入れ
同じ家族として扱いました。
ですが彼らの両親と実弟のウィリアム
そして屋敷の使用人達は彼ら兄弟を蔑み
まともに扱いませんでした。
アルバートの母親は自分の夫に浮気をされている
鬱積を兄弟にぶつけ
また、アルバートの実弟のウィリアムはその母親の敵意が
確実に兄弟に向くように仕向けます。
ウィリアムはアルバートに問いかけます。
「何故あいつらを選んだの?」
孤児院で出会った時―
アルバートが孤児院で彼ら兄弟に出会ったとき
彼らは自分たちの持つ知識を
多くの人のために使っていました。
そんな兄弟はいつも多くの人に慕われ
人の輪の中心にいたのです。
ある日、アルバートはそんな兄弟と
他の孤児院の子たちとの会話を聞いてしまいます。
「悪い貴族が現れたらどうすればいいと教えたかな?」
微笑みながら彼らが問うその質問に
まだあどけない子供達が口々に答えます。
「たたかう―!殺す!」
それからしばらくしてアルバートは
彼ら兄弟を養子に迎えたのでした。
彼ら兄弟を屋敷から追い出そうとアルバートの母親と
ウィリアムが兄弟を陥れようとします。
ですが、その計画を仕掛けている最中に兄弟
そしてアルバートに見つかってしまいます。
「お前たちのような人間はいらない。」
そしてアルバートの取った行動は―。
憂国のモリアーティのネタバレ!
両親も実弟のウィリアムも
そして住み込みの使用人合わせて9人。
彼ら全員を完全犯罪で殺害したアルバートでした。
しかしその恐ろしいまでに完全な殺害計画を立てたのは
孤児院から迎えた少年。
少年はウィリアム・ジェームズ・モリアーティ。
アルバートの今はもう死んでしまった実弟の名をかたり
ウィリアムになりすまします。
13年後ウィリアムはダラムの大学で
数学教授として引っ越してきます。
この町の人は特に貴族を毛嫌いしているようでしたが
屈託なく中に飛び込んで話しかけるウィリアム。
町の果物売りのスザンナにウィリアムは
自分を数学教授の他に私立相談役をしていることを話し
町の困っていることを話してもらうようお願いします。
そこでウィリアムはこの町の貴族が
小作人に最初は安いお金で農地を貸し与えていたのが
少しずつ高くなってしまって今も苦しめられていると知ります。
ウィリアム達はもう一人の貴族ダブリン男爵と
そのことについて話をしますがダブリンはこう言い放ちます。
「小作人は貴族の豊かな生活を維持するための、家畜なのだ」
そんなウィリアム達はモリアーティの農地では
これからはその農地にあった正しい金額を設定して
納めてもらうことに決めるのでした。
モリアーティ家の評判が良くなってきた頃
ウィリアムはミシェルとバートンという
二人の夫婦と知り合います。
二人はとても仲の良い夫婦でしたが
子どもの死をきっかけに仲違いしているのです。
子どもの死のきっかけになったのは
ダブリンの心無い行動でした。
そんなダブリンの土地をまだ使い続けているバートンを
ミシェルは許せずバートンもまた
どうすればいいのか悩み続けているのでした。
バートンの心に闇が忍び込みます
ダブリンが自分の土地の小作人たちが
ウィリアムの農地へ移りたいと言い出したことで
ダブリンの家で話し合いをすることになります。
集まったのはアルバート、ウィリアム
ルイス、バートンそしてミシェル。
デザートにバートンのグレープフルーツのパイを食べても
自分の小作人の作った物とわからないダブリン。
そんなダブリンにミシェル言います。
「あなたがあの日見殺しにした子どものことも
きっとお忘れなのでしょう。」
やっと気づくダブリンですが小作人の子どもを
見殺しにした事が罪になるのかと逆に罵倒するのでした。
しかしそんなダブリンにウィリアムが
この町にもうあなたの味方はいないと言います。
ようやく自分の立場を知ったダブリンは
このことで心臓の発作を起こしてしまい
そしてダブリンはミシェルに謝罪します。
「悪かった」
そして薬を飲んでダブリンは
落ち着いたかに見えましたが・・・
ウィリアムの本当のはまだ終わっておらず――。
犯罪相談役―クライムコンサルタント―。
階級制度の犠牲者からの依頼により
ウィリアムの完全犯罪が始まります。
はたしてそれは―?
憂国のモリアーティの感想!
コナン・ドイルの小説シャーロック・ホームズを
原案として作られた本作はホームズではなく
宿敵モリアーティが主役になっています。
本作のモリアーティは悪の道に手を染めますが
それは階級制度に犠牲になってしまった人たちのため。
そして完全犯罪として誰も罪に
問われることのないように行います。
そんなウィリアム・ジェームズ・モリアーティに
読んでいくうちにどんどん共感してしまいます。
ホームズもその後出てきたのですが
モリアーティにこれからホームズがどう関わって行くのか
二人がどんな会話をするのかワクワクしますね。
そして1巻の最初に出てきた場面が原作のままに繋がるのか
別の結末がモリアーティとホームズに待っているのか
非常に気になってしょうがない最高にオススメの作品です。