久方ぶりのブログ更新となります。

次回の公演に向けてベース弦を交換しましたが、今回は新たにダダリオの"EXL170BT"を試してみています。

ダダリオのこの"BT"が型番に入るシリーズは"バランスドテンション"という、各弦の張力が同じくらいになるように設計されたという一品です。楽器側の設計にもよりますが、例えば40-60-80-100-120という5弦ベースのセット弦の場合ですと、4弦と5弦の張力が他の弦よりも緩くなる場合が多いです。

だとすれば、理に適った設計の弦ではあるのかもしれません。

 

通常のダダリオ"EXL170"(左)と"EXL170BT"(右)を比較すると

(1弦) .045  .045

(2弦) .065  .060

(3弦) .080  .080

(4弦) .100  .107

となります。

2弦が細くなり、4弦が太くなっているんですね。

 

今回使用するのは5弦ベースなのですが、バランスドテンションシリーズには4弦用のセットしか無い為に5弦のみを別に購入しなくてはなりません。せっかくの張力バランスを崩さない為にも慎重にゲージ(太さ)を選定します。

そして今回は"XLB135T"を選択しました。通常のベースの5弦(ローB)の初期設定では130が多いのですが、より輪郭のある音と張りを求めて少し太めにしました。また、ベース本体も生産後から20年程度経過しているモデルなので、ナット溝が削れている事も考えられます(予想ですが)。ゲージを細くする場合はナット溝の中で遊びが出過ぎない様に気を付けないといけないですが、ほんの少し太くする分には大丈夫だろうと。

ただし、ネックへの負担は注意が必要です。

 

さて話を戻し、"135T"の"T"の部分。テーパー弦とかテーパードとかテーパーコアなどと呼ばれるものです。

画像の5弦ブリッジ駒に乗っている部分が少し細くなっています(見づらいですが)。

この構造によるメリットは色々と考えられるのですが、先ずベースの5弦などの太い金属の弦というのは曲がりにくいです。太くなれば太くなるに連れて曲げに角度に対する抵抗が大きくなるので、サドル(駒)にしっかりと押さえつける方向の力が加わり難くなるんですよね。そのサドルに当たる部分が一回り細くなる事で、弦がより自然な曲がり方をする事が出来るようになります。そして、振幅が小さく変わりましてより高域特性の良い音になる傾向にあります。

大抵の場合、通常よりハッキリした音になります。

ローBの音がぼやけてハッキリしないという方は、一度試してみると良い結果になるかもしれません。

ただし、ピエゾブリッジの場合は音量が小さくなります。

 

メーカーによっては3弦、4弦もテーパーになっていたりします。大抵はゲージの表記の後ろに"T"と記載されているのがテーパー弦ですので、確認してみて下さい。

今回は45-60-80-107-135Tというゲージになりました。

 

ちなみにテーパー弦ですと、「KEN SMITH」「R COCCO」あたりが人気の様です。

他にも「F-bass」のエクスポーズドコアと呼ばれる弦は、細くなっている部分が芯線むき出しの細さです。強度面では不安もありますが、音色は更に明るく、倍音も乗りきらびやかで好きでした。

 

また色々試してみたいと思います。