Band Name:
Season's End
Album Title:
The Failing Light
Track List:
01. Touch
02. Ghost In My Emotion
03. One Sadness
04. Innocence
05. Nothing After All
06. Celestia
Website:
Band Members:
Becki Clark (Femal Vocals, Cello, Viola, Keyboards)
David Stanton (Male Vocals, Electric Guitars)
Daryl Kellie (Electric Guitars)
Tom Nicholls (Basses)
Dave Smith (Synthesizer)
Paul White (Drums, Percussion)
CD Review:
イギリス、ハンプシャー出身、プログレッシヴ・メタル・バンドであるSeason's Endが2004年にリリースした、1stフル・アルバムにあたる『The Failing Light』。
その音楽性は、天上界のエンジェリックな女性ソプラノ・ヴォーカルをフロントに迎え、時折導入される中音域から高音域にかけての繊細さと激情さという二つの顔を併せ持つ男性ヴォーカル、ツイン・エレクトリック・ギター、ベース、シンセサイザー、キーボード、ドラム、パーカッション、チェロ、ヴィオラなどといった生楽器を配した、世にも美しい、ゴシカルなプログレッシヴ・メタルが一枚のCDアルバムの全編に渡り展開されています。
Facebook上のオフィシャル・ページでは、フィメール・フロンテッド・メロディック・メタルを自称されています。
女性歌手による美しいソプラノ・ヴォイスを主体としている事から、ゴシック・メタルとカテゴライズされる事も多いようですが、あくまでも私としてはゴシカルなフィメール・フロンテッド・プログレッシヴ・メタルとして聴いております。
その理由の一つとして、あまりにも美しいメロディ・ラインを損なわない程度に変拍子を多用した、非常に聴き応えのある展開のある楽曲の構成力が挙げられます。
そもそも、老害である私としては、女性歌手をフロントに迎えたヘヴィ・メタル・イコール・ゴシック・メタルという世間一般における図式の出来上がった風潮に疑問を持っているのでした。
勿論、ゴシック・メタルというサブ・ジャンルは、イギリス出身のParadise Lostが始祖であるという事実、Paradise Lostに男性ヴォーカリストとして在籍するNick Holmesが、フィンランド出身のシンフォニック・パワー・メタル・バンドである「Nightwishをゴシック・メタルとカテゴライズする事に、何ら問題は無い」と語っていたらしいという事実は、余程の無知な輩でも無い限りは、メタラーならば誰でもご存知であるという事とは百も承知しております。
女性ヴォーカリストとして在籍するBecki Clarkは、チェロだのヴィオラだのキーボードだのといったソンフォックな要素を持つ生楽器をも兼任しているようですが、このSeason's Endというバンドの場合はどちらかというとバンド・サウンドに重きを置いていて、シンフォニックの要素はあくまでも味付けする程度に抑えられています。
とは言え、ゴリゴリとした重厚なヘヴィ・メタルを期待すると、聴き手によっては1曲目にあたる「Touch」から肩透かしを喰らってしまうのかも知れません。
あくまでも男女ツイン・ヴォーカルの美しさ、緩急のついたプログレッシヴな楽曲の構成力を楽しむためのバンドだと思います。
ただし、2曲目にあたる「Ghost In My Emotion」、5曲目にあたる「Nothing After All」などは、ヘヴィ・メタルとしてのカタルシスを存分に味わう事の出来る楽曲であると言えるでしょう。
イギリス出身のフィメール・フロンテッド・プログレッシヴ・メタルというと、ここ日本においては、To-Meraの方がどちらかというと知名度が高いと思われますが、このSeason's Endというバンドの方が、ゴシカルな、叙情的な美に浸る事が出来る分、多くの日本人に受け入れられる事が出来るのではないでしょうか。
短い楽曲が5分から6分、それ以外の楽曲の尺の長さは8分から10分、そして一枚のCDアルバムをトータルすると全6曲48分と、楽曲の一つ一つが、比較的長尺に制作されています。
現在の巷に溢れる、女性歌手をフロントに迎えたゴシック・メタルを自称するバンドのような、良くも悪くもストレートな、単純明快なヘヴィ・メタル・アルバムを期待すると肩透かしを喰らう一枚に仕上がっているのかも知れません。
寧ろポーランド出身のRiverside、スウェーデン出身のWolverineのような、ゴシカルな一面を持つダーク・プログレッシヴ・ロックを好むリスナーに、是非とも聴いて頂きたいと思います。

