滞在更新に出向く日は、今年も雪。
積もり続ける雪をみしみし踏みわけて、役所でながくながーく待つ間も、吹雪の公園をぼおっと見下ろすことが時間をやり過ごすことの一つに加わります。
白い世界は嫌いじゃないけれど、極度の乾燥からの肌と喉の渇きと、降っては溶けて、降っては溶けてのここ最近の数日サイクルは、少々の体の混乱を招いています。
先週は、同門のウクライナ人、アンナがコンクールの為数日うちに滞在して、
みごとに一位をとって帰っていきました。
彼女の出身、家族、生き方について。
コンクールから音楽についてと語り深めていくうちに、お互いに自然と知りたい項目、枝葉が広がっていき、共有できる概念にたくさん出会いました。
ロシア系の人達からはいつも、たくましい精神力を教わります。
彼女の語る彼女の歴史に寄ると、彼女は内に秘めた強さをずいぶん長くそのまま保持してた女の子だったようで、その点からか、日本人の様な思いやりや気付きを持ってる子だなと感じる瞬間が多々ありました。
セミファイナル、一日挟んでファイナルと目の前で見ていて、音楽へ対する姿勢も、学ばせてもらったことがたくさん。等身大の自分と、どんな他者とも向き合い、目の前のことをしっかりとこなしていく。そんな彼女はとっても魅力的です。
「考えを交換する」
これをすることで、他者と信頼感に満ちた強い関係性が築けるのだということは、ここ一年くらい音楽友達から、そして今回アンナからも、同じドイツ語で語られました。
言語を問わずどの場面でもそれができるようになる為には、頭を正しく使い、人と交わること。
精神的な面からは、すべてに、どんな小さな些細なことにも愛情を持って接すること。
そして、時間の流れをそのままに、少しずつ少しずつ、自分の力で外へ向けて心を開放し世界を築いていくこと。
一回できたらもうこっちのものよ!というアンナの経験談に背中を押された経験はきっと、
これからの私の存在意義を、自然に助けることとなるのだと、ぼおっと思いました。
「共有」を得意とする日本人なのに、このキーワードをいつまでたっても新鮮に受け止める私は、根っからの日本人… そう皮肉にとることも、いつか笑って口に出来る方向へ、舵をとっていきたいです。
雪の日のもう一つの長所は、夜が明るいこと。
降り積もった白銀の世界が空へ反射して、赤紫色にほの明るい夜空。
なんだか安心感をくれるのです。