前記事-▲カスケード山脈▲の中部、ワシントン州南部にある火山。
※▲カスケード山脈▲はカナダ・ブリティッシュ・コロンビア州からアメリカ・カリフォルニア州北部のシャスタ・カスケード地方まで連なっている。
▲カスケード山脈▲は 「環太平洋火山帯」の一部であり、アメリカ本土で発生した歴史的な火山噴火はすべてカスケード山脈の火山で発生している。
20世紀に起こった有名な噴火は2回・・・
★1回目 ⇒ラッセン山(カリフォルニア州北部)、1914~1921年
※前記事ラストに紹介した、カリフォルニア州-「シャスタ山」の南にある火山。
※世界最大の●溶岩ドーム●があることでも有名。
〔1915年の噴火〕
(Youtube) ※無音、映写機の音のみ
■Mt Lassen 1915 (2m57s)
https://www.youtube.com/watch?v=nZD9K4q55jk&feature=youtu.be
尚、このラッセン火山国立公園は、火山活動により、独特の景観を造り出している。 (^O^)/
〔ラッセン火山国立公園-シンダー・コーン〕 ※1650年代に起きた噴火による噴石丘
これはペイントなどではなく、天然の造形~
★2回目 ⇒セント・ヘレンズ山(ワシントン州南部)、1980年5月
(Youtube) ※山体崩壊と噴煙破壊の瞬間映像
■Photographing a Catastrophic Explosion at Mt. St. Helens (2m46s)
https://www.youtube.com/watch?v=IhU6jml6NY4
■Deadly Mount St Helens (7m17s)
https://www.youtube.com/watch?v=SJA27Bp1q58
(-""-;)
セントヘレンズ山がまもなく噴火するだろう・・・・・・ということは科学者たちが掴んでいた。
※既に入山規制がかけられており、火山付近にいたのは調査チームの科学者達。
火山と周辺地域に調査の為に集まり、計測機器を設置して、何ヶ月もの間、注意深く噴火を待っていた。 (・・;) (・Θ・;) σ(^_^;) (υ´Д`)アツー (゚_゚i) (;・`ω・´)
上ってきたマグマは山の表層下にある空洞を満たし、その圧力で山の北斜面が隆起し始めていた。
その膨らみは毎日1.5~15メートルの速さで膨張を続け、山の表面は非常に不安定な状態になっていた。
〔噴火状況と推移〕==============
5月18日― その日は静かな、明るく晴れた朝で始まった。 \(^_^)/
午前8時半(アメリカ太平洋標準時)を少し回った頃、火山の内部約1.6km下方で地震が発生し 、山の北斜面を揺さぶり、数十年間閉じ込められていたエネルギーを解き放った。
地震により山体が3つに分裂し 、中のマグマが高圧のガスとともに放出された。
その爆発は、既に不安定な状態であった火山の北側を吹き飛ばして、カスケード山脈のその部分の様相をスッカリ変貌させてしまった。
〔噴火 Before After 比較〕
(山体崩壊)
●時速240km ~
地震によって、緩んだ地面が持ち上がり 、そこから砕石が落ちて地滑りが発生~◆●▼
氷や水、空気、砕石の入り混じった地滑~~~ ⇒時速240km以上の速さで山の斜面を滑り落ちて行った。 ε=ε=(ノ≧∇≦)ノキャー
(新幹線なみの速さで ~ )
●山頂から400m分が吹き飛んだ ~
山頂から北斜面に向かって約400m分が崩壊。
⇒その砕石は周囲590平方kmもの面積に渡って飛散~~~
(参考 : 神戸市の広さが557 km2、淡路島-592 km2、東京23区-627 km2)
近くにあったトゥートル川の北側の支流は埋め尽くされ、その堆積物の高さ は平均45m、最大では180mもの高さになった。
〔当時のトゥートル川の状況〕
※堆積物の高さがAvg. 45m、Max. 180m・・・・・・
■高さ45m■~ とは下記の比較図参考。 (-。-;)/
〔福島の原発とゴジラの高さが~ 〕
〔フランス-パリの凱旋門が高さ50m、幅45m〕
■高さ180m■~ とは「名古屋テレビ塔」がその高さ。
噴火による山体崩壊~砕石飛散で、短時間で川の支流が埋め尽くされて、高さ45m~180mの堆積物が溜まってしまったということ。
※いわゆる~ 殆ど短時間のうちに川の流域が→川は埋め立てられて、更に“渓谷”に化けてしまったということか ・・・
(湖を拡げた爆発)
地面の崩落と同時に、925℃にも達する高温の溶岩が水を気化させて爆発を起こし、北側の斜面を吹き飛ばした。
この爆発による水蒸気の噴煙は、数秒の内に、515平方kmにわたる森林を破壊――
⇒この時の噴煙速度は、時速1040km~
(殆ど、1991年-雲仙普賢岳の火砕流を想像・・・ )
※この小学校(↓)を訪れたことがありましたが、窓のアルミサッシが溶けていました・・・
〔速度比較〕
時速1040km~ とは、どのくらいの速さなのか
NCR(日本貨物航空株式会社)が一般公開している「ボーイング747-8F」の機種性能が、
⇒巡航速度 時速910km(マッハ 0.85)~~~上空を通常速度で飛んでいる。
一般的に、マッハ1=時速1225km
※環境条件により速度が変わるので、気温15℃・1気圧の空気中なら、⇒時速1041kmくらい。
だから、セント・へレンズの水蒸気噴煙が広範囲に森林を破壊した時、ボーイング747が編隊を組んで、音速に近い速度で地上スレスレに飛んで来て激突したとイメージすれば分かりやすいかも・・・
大量の土石が降り積もったスピリット湖には、最大260mの高さの巨大な波が発生~
〔南上空から見たセントヘレンズ火山の山体崩壊跡。奥に見えるのがスピリット湖〕
※その背後遠方にかすかに見えるのは「レーニア火山」。
〔スピリット湖〕
※向こうに見えるのは、セント・へレンズの兄弟山の一つ、東隣にあるアダムズ火山。
湖に降り積もった堆積物や土石の為に埋まったのではなく、逆~スピリット湖の面積は数分の内に約2倍になり、深さも約75m増加した。 ● ・・・Σ(~∀~||;)
(高速泥流の発生)
火山の激しい爆発の熱で、万年雪の雪や氷を解かし、大量の水を発生~
それが岩石や木、堆積物を巻き込んで泥流となり、時速145kmを超すスピードで地表を駆け抜け、河川に流れ込んだ。 ・・・((゚m゚;)
こんなスピードで来られたら 、、、逃げようもない・・・
日本でも、東北地方の十和田湖の火山がかつて噴火した時、その火砕流は時速100kmで北側=津軽方面に駆け下りて焼き尽くしたとか・・・
太古の阿蘇山噴火も、火砕流が殆ど短時間の内に大阪に近いところまで焼き尽くしたとか・・・
※これは、かつて阿蘇山の標高が10000mくらいあったと推定される時のこと。
現在は山体が吹き飛んで外輪山になって低くなってしまっているので、同じ事は起こらないと考えられるが――
(→その73に続く)