フラット化する世界 トマス・フリードマン | hassanのブログ

フラット化する世界 トマス・フリードマン

「レクサスとオリーブの木」などグローバル化する世界とローカルの二項対立を描かせたら右に出るものがいない、米国のジャーナリスト。重厚な内容の割には軽くて誰にでも読めます。高校生くらいのうちに読んでおくといいんではないかと。

導入部でタイトルに付与された寓意が説明されていますが、コロンブスの「地球は丸い」から「フラットな世界」へとまた世界が変わっていくというストーリー性を付け加えていることが、著作全般を通して言えることですが著者のジャーナリストとしての枠に留まらない語り部としてリベラルの旗手にしているのでしょう。

第一章の終わりでRicard is right. Ricard is rightと自分に言い聞かせざるを得ない姿は、先進国に住むリベラル派に共通の悩みですね。頭で分かっていても目で見たものの印象の故に人間は間違え、難しいことを思考停止して単純な解を与えるナショナリズムに走るわけです。皮膚感覚とはそぐわない「正しさ」を追求する進歩的知識人の辛いところです。

リカードの章で命題として上がっている「搾取されているのは誰か?」というフレーズは「搾取」という単語が使い古されており、キーワードとして取り出すのは逆に有害ですが、現代の資本主義の一面と落ち着かなさには深い共感を持ちます。単純に右翼に走れば世の中どれほど楽なのか(笑)