【移動平均線とは】
移動平均線とは、株価や為替などの価格変動のトレンドを分析するためのテクニカル指標の一つです。
単純移動平均線(SMA)と呼ばれる方法では、ある期間の終値を合計してその期間で割った値を取ります。例えば、5日移動平均線を計算する場合、前日から5日間の終値を合計して、その合計を5で割った値を取ります。これによって、最近の価格変動により多くの重みを与えたり、古い価格変動により少ない重みを与えたりすることができます。
移動平均線は、長期的なトレンドの方向性を確認するために使用されます。特に、長期的な移動平均線を用いることで、価格の大きな変動に左右されにくい、より安定したトレンドの確認が可能です。
例えば、株価が上昇トレンドにある場合、移動平均線は価格よりも上方に向かっていきます。一方、下降トレンドにある場合は移動平均線は価格よりも下方に向かっていきます。このように、移動平均線を利用することで、トレンドを確認することができます。
【移動平均線のメリット】
◯トレンドの方向性を確認しやすい
移動平均線を用いることで、トレンドの方向性を簡単に確認することができます。特に、短期的な価格変動の影響を受けにくい長期的な移動平均線を用いることで、より確実にトレンドを捉えることができます。
◯ボラティリティを測定しやすい
移動平均線を用いることで、価格のボラティリティ(変動率)を確認することができます。期間を短くすることで短期的なボラティリティを、期間を長くすることで長期的なボラティリティを測定することができます。
◯サポート・レジスタンスラインとして利用できる
移動平均線は、価格がサポートラインやレジスタンスラインに到達することが多いため、これらのラインの目安として利用することができます。
【移動平均線のデメリット】
✕遅延がある
移動平均線は、過去の価格データをもとに計算されるため、価格が既に反転している場合には、トレンド転換のサインを出すまでに時間がかかることがあります。
✕偽のトレンドを引き起こすことがある
特に、期間を長くした場合には、移動平均線が平坦になってしまい、偽のトレンドを引き起こすことがあります。また、期間を短くしすぎた場合には、価格変動に左右されすぎて信頼性が低くなることがあります。



