天使ナターリヤ・ワルレイのデビュー作『Kidnapping, Caucasian Style』 | 映画遁世日記

天使ナターリヤ・ワルレイのデビュー作『Kidnapping, Caucasian Style』



世界一可愛いお化け(死人)ことナターリヤ・ワルレイ(ナターリヤ・バーレイ?)ちゃんが『魔女伝説・ヴィー(妖婆・死棺の呪い)』(1967)の前年に出演していたコメディ映画でナターリヤちゃんの映画デビュー作となる『Kidnapping, Caucasian Style(Кавказская пленница)』(1966)という映画(日本語だと『コーカサス式誘拐騒動』みたいな感じでしっくりくるでしょうか)。なんとBlu-ray(ロシア製リージョンフリー)が存在していることを知り喜び勇んで注文。



そして注文しておよそ2週間くらいで到着(わーい)、デッキにセット・オン。ネットで確認した商品仕様には「英語字幕付き」って書いてあったハズなのに、字幕なし!完全ロシア語音声オンリーで鑑賞。まず、所謂「毛穴が見えるほど」画質が良いことに感激。この作品、どうやら旧ソ連で記録的大ヒットを飛ばした国民的映画のようで、大切にフィルム保管してあったものと思われます。



内容の方はというと、字幕要らず(ホッ)の馬鹿馬鹿しいというか、子供騙しスレスレのコメディ(ソ連映画って文芸・芸術系の映画はさておき、大衆映画となるとほんと子供っぽい作品が多いと思います。極端だっちゅうねん)。もはやナターリヤちゃんを愛でること一点張りの映画といえましょう(クライマックスのバカ殿および月曜ドラマランド並のドタバタ・カーチェイスや突然歌い出さすナターリヤちゃん等、映画的見所もいっぱいありますが)。そういった意味では至高!ナターリヤちゃんの七色の顔芸(キュートやで)や大暴れ、うら若き娘には酷な危険アクションが存分に楽しめます。


 デビュー作?10代の娘?知らん知らん!スタントマンなんてなし!

なお、「ヴィー」では分からなかったのですが、ナターリヤちゃんが思いの外下半身おでぶちゃんというか、むっちりしているんです…だが、そこがいい。




あらすじは…

民俗学の学生であるオタクっぽい主人公がコーカサス地方に訪れます。彼は地元の娘・ニーナ(ナターリア)と仲良くなります。いっぽう、町の有力者のおっさんがおりまして…ロリコンなのでしょう。「わしニーナと結婚したい」と言って、自分の運転手をしているニーナの伯父と羊20頭とニーナを交換する約束を勝手に結んでしまいます(酷い)。おっさん同士が勝手に約束したからといってニーナが嫌がるに決まってるので、伯父はちょうど町に流れ着いてコスい悪さを働いていた詐欺師の3馬鹿トリオにニーナの誘拐を依頼します。町の有力者のおっさんの妨害により精神病院に放り込まれた主人公は、はたしてニーナを助けることが出来るのか?(きっと出来る。3馬鹿が本当にバカだから)

と、こんな感じです。



本作は、きっと本国では知らない人がいない、というほど有名な作品なのでしょう。2014年には、オリジナルに忠実に忠実に作られたリメイク作まで撮られています。また、世代を越えて、紫のピチピチ・タイツで縛られているナターリヤちゃんの姿がイコン化しているのか、検索で若い層が描いたっぽいイラストがいくつかヒットしたりします。




リメイク版アートワーク。出演者もオリジナル版にいちいち似た役者さんを集めている(ただしヒロインは似ていない)


 国民的大人気作である証拠。画像でいじられる


 ナターリアちゃんだけでなく、3馬鹿も人気。Tシャツのモチーフに


 ブロンズ像にもなっている


 金像まである!


 痛車まである!!(笑)



 おわり