大森立嗣「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」2010 | 映画遁世日記

大森立嗣「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」2010

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ケンタとジュンとカヨちゃんの国 (2010)
監督/脚本:大森立嗣
出演:松田翔太、高良健吾、安藤サクラ、宮崎将、柄本佑、洞口依子、多部未華子、美保純、山本政志、新井浩文、小林薫、柄本明

このブログをはじめてから唯一「この映画の公開が待ち遠しい!」的な日記を書き、手ぐすね引いて待っていたこの「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」。

しかしこれがなかなか地元で公開されない(一般公開は6月からだが地元では8月公開)・・・。聞けば本作は地元でもロケをしているというではないか・・・。なのに何でやねん!

てなわけで、我慢も限界にきたので本日車をブッ飛ばしてお隣の県まで観に行ってまいりました。ETC割引バンザイ。

そして、期待通りに大森監督はやってくれた。最高だった。

で、喜び勇んで思い入れタップリにあーだこーだ書くことも可能だったのだが、パンフに書いてあったeastern youthの吉野さんが書いたレビューに目が止まった。

マル写しすると問題ありそうなのでかい摘んで書くと、吉野さんは"良い映画"を観終わった時は誰よりも真っ先に劇場を出たいと思うらしい。他のお客の感想や讃辞や批評なんて一言も聴きたくない、耐えられない。共感や共有なんてクソクラエだと。映画を観て自分の内側に深く突き刺さってきたものは自分だけのもので、それを他人にもっともらしい顔して解説とかされるのはまっぴら御免、ぶっ殺したくなるという(嘘です、そこまで書いてませんw)。なので俺(吉野)の書く文章もくだらん戯言なので、読むな、、と(笑)。

ごもっともだと思った。

そう考えると"映画感想ブログ"なんてものの何て恥ずかしくて迷惑なものよ!!!(本ブログ大いに含む)

てなわけで、ザックリとした感想だけ書きます(弱腰)

大森立嗣監督は(パンフにも書いてあったが)はっきりと80年代~90年代(以降)の日本映画のあり方に嫌悪感を抱いている。"カッコワルイから"・・・とか何とかいって排除されてきたもの。本作にはその"日本映画が失ってきたものを蘇らそう"という大森監督の思いがストレートに込められている。その考え方がまず嬉しいし、映画自体とても素晴らしい作品になっている(←ボキャ貧)。

そんな・・・次回作が待たれる(数少ない)頼もしい映画監督がココにいる、いてくれる、、、そう思うだけで本当にワクワクする。その幸せ感といったら・・・。

日本映画界、および映画ファンの皆様におきましては、大森立嗣の「ゲルマニウムの夜」「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」の2本(ぽっきり)と・・・例えば堤幸彦の全映画(今数えてみたら30本近くあった)なんかを比べてどっちが日本映画の財産なのか考えて欲しいと切に思う。

・・・と、こんなこと書いてたら
吉野にぶん殴られそうだ!!!(笑)

■追伸(地元ネタ)
本作は地元でロケが敢行されたと最初に書きましたが、パンフレット読んでたら思ったより大々的に地元で撮影されているようだったのでビックリしました。地元ではない、他の土地・・・〇〇や〇〇のシーンも一部(?)石川県(あ、言っちゃった)でロケされているのです。それじゃ、あのシーンも?あのシーンも?〇〇さんや〇〇さんの登場シーンも?

とにかく、地元ロケでありがちな"古都金沢"とか"郷愁を感じさせる風景"・・・なんかじゃなくこの"とりあえずどっかにあるド田舎"的な扱いは嬉しい(笑)。

う~ん、もう一回観直したくなってきたw