続・リフトのお仕事 | ダイナランド オフィシャルブログ

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なんだか最近めっきり冷え込んできまして、冬の訪れをひしひしと感じるようになりました。

こうなってくると、屋外での作業はなかなか厳しさを増してきます。

 

ちょっとだけ「内勤でよかったなぁ」と思う箇所ですね。

 

そんな感じでぽっちゃりがぬくぬくと事務所で作業をしている間も、外勤務の皆さんは作業を行っているわけでして……今日もそんな外作業の、特にリフトのお仕事を紹介。

 

 

ところで、

本ブログの過去記事をいろいろと眺めてみると、今までご紹介したリフトの仕事の多くは、皆さんが座る部分周辺――、一般に「リフト」と聞いて思い浮かべる箇所とその周辺の整備が主の様子。

 

というわけで今日は、普段はお客さんの目につかない部分をご紹介。

それがこちら。

 

 

え? どこ?

 

ここでーす、ここ。

 

 

このまあるいお屋根の建物。

通称「駅舎」と呼ばれる建物の中です。

 

ちなみにこの駅舎は「自動循環式」と呼ばれるリフト、ダイナランドでいうとアルファライナーやベータライナーといった、4人乗りのリフトの乗り降り場に見られる建物です。

「固定循環式」(第1ペアリフト・から松ペアリフト)の場合は、大きな滑車だけ、もしくはこれよりかなり小さいものになります。

 

では、その駅舎の中には何があるのかといいますと、

 

 

こんなふうに、ベルトでつながったタイヤがたくさん並んでいるんです。

 

「リフトなのにタイヤ?」

「普通はワイヤーを掴んで動いてるんじゃないの?」

と思った方は慧眼の士。

 

このタイヤこそが「自動循環式」と「固定循環式」の大きな違いの一つなんですね。

 

 

さて、

駅舎の中(上から見た場合)をザックリと絵にしてみるとこんな感じになります。

 

皆さんが普段目にするのは滑車によって折り返しているワイヤーの部分から。

その他の部分は駅舎の中に納まっているので外からはよく見えません。

 

実は、

「自動循環式」のリフトは、駅舎に入ってくると一度ワイヤーから切り離されます。

そしてまた山頂に向けて出発する際ワイヤーを掴んで出ていくのですが、その間の区間は、駅舎の中をレールに沿って動いています。

ですが、もちろん「リフト」そのものには慣性以外の「動力」が無いので、そのままではレール上で動けなくなってしまいます。

そこで、先ほどのタイヤから動力をもらいゆっくりとレールを進んでいくわけです。

 

では何故このような装置が必要になるかというと、リフトの「速度」が関係してくるんですね。

 

ダイナランドの2人乗リフト(固定循環式)は基本「1.3m/s」前後の速度で動いています。

このリフトは、常にワイヤーを掴んで動いているので、お客さんが乗車するときも乗っている最中も速度は一定で変わりません。

 

▲夏季営業中の第1ペアリフト

 

ところが、4人乗りのリフト(自動循環式)は、お客さんの乗車中「3.5~4.0m/s」という、2人乗リフトより倍以上も早い速度で動いています。

 

▲冬季営業中のアルファライナークワッドリフト

 

もし、この4人乗りのリフトでも、ワイヤーを掴んだまま切り離さずに動かしてしまうと……、

とてもではないですが、速すぎて乗り降りなんてできなくなってしまうんですね。

 

 

ちょっとお話がずれてしまいましたが、このタイヤとベルトがいかに大事な部分かわかっていただけたでしょうか?

 

そして、もちろんこのタイヤや、そのタイヤとタイヤ同士をつないでいるベルトも――、ひいては駅舎全体も、大きく見ると「リフト」の一部。

シーズンインに向けてこちらもリフトスタッフが整備しています。

 

▲内側と外側の厚みが違うので「Vベルト」と呼ばれます

 

タイヤのひび割れや空気漏れ・空気圧を点検したり、

劣化したベルトを新しいものに交換したり、

リフトの心臓部となるモーターやエンジンもこの中にあったり、

その他なんやかんやと整備が必要な箇所がてんこ盛り。

 

実は意外に手のかかる場所なんです。

 

 

というわけで、普段はあんまり見えない、リフトの裏側をおつたえ。

ぽっちゃり ちゃんこ主任でした。