早速昨日の続きからです。
先生:「雪裡梅花只一枝(せつりのばいかただいっし)っていう言葉を書いてきたんだけど、雪裡というと雪が積もるっていう意味で、ちょっと梅の花を想像して欲しいんだけど、梅の花に雪がいっぱい積もっているわけ。でもその奥の方では梅の花がポッといい香りをしながら真っ赤な蕾をつけているの。
外から見たら冷たく積もっちゃってて、冷やされていて冷たい寂しい状況に見えるかもしれないんだけれども、雪裡梅花只一枝で、雪の中で梅花が実をつけているよ。だから、今から見たらそういう状況に見えたって必ず雪が溶けて雪の中で自分が育んだ蕾というのが必ず開花していくんだっていう禅の言葉なんだよね。」
全員:「
」
先生:「私はこの言葉をすごい昔に知って、自分がパニック障害になったときに、”辛いな”って自分が思った時の前から知っていた言葉でノートに書いていたの。禅の言葉だからすごい古い言葉なの。
”そうだ。そうだ。私の上にはいま雪が積もっているんだ。でも、その雪のおかげで一人で自分の事を考えられるんだ”と思ったの。雪国のかまくらをイメージしていたの。このイメージと雪裡梅花只一枝というのはすごく心の中でリンクしているの。枝の上にズボッと雪が溜まっているんだけど、その下でちっちゃく付けている梅の花。
”そうだ。私はこれでいいんだ。今私はこの中で一人でしっかり自分を温めたらいい”ってパニック障害の時はそのような解釈をずっとしていて、そうしたらスルスルと普通に戻っていったの。なんでだろう?今は戻っていても戻っていなくてもどっちでもいい(笑)」
全員:「![]()
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」
先生:「つまりパニック障害ってすごい大変。それは私は経験済みなんで良くわかるんです。でも、そのパニック障害という現象の見方を変えるともの凄い尊い時期をお過ごしになられていますよという事を、親の方が理解をして見守っていく。この子を早く治したいとか、そういうのではなく愛情の裏返しで”やっぱり早く治してあげたい!!”って思うんだけれどもそういう事よりも、”いまこの子はずっと探求できている貴重な時期なんだ”っていう解釈をして見守っていってあげて欲しいなって思います。」
年美さん:「やっぱり子供と接するときに、娘さんは心療内科とかに行かれているじゃないですか。そういう時に見守る会話というのは普通にするだけでいいんですか?子供に対して先生が今おっしゃったように『あなたは今雪裡梅花只一枝っていう状態なのよ』って言う必要もなく、ただ見守るっていう生活をすればいいのでしょうか?」
先生:「本当はお話をしてあげたほうがいいんだけれども、それが受け入れられる状態の時だったらね。それよりも、それがまたどこかでアルバイトを始めて『苦しいから辞める』って言ってきたら『そういう状況が好ましくないって見つけたね』っていう相槌の仕方を変える。
『嫌だったらやめておきなさい。体に悪いから。』と言うような相槌ではなく、『今の状況が好ましくないって分かったのなら違うところでいいんじゃない?』っていう、辞める事を辞めるという言葉を使うのではなくて、その事を見つけたんだという解釈をする。
仏教的にもそうなんだよね。嫌だなって思うということは”嫌を見つけた”ということなの。今まではそれをやっていなかったから嫌がわからなかったけど、それをやって見ることで自分はこれを好ましいと思っていなかったんだという事を知った。だから、好ましい事を探す。
私は留学をしてからいろんな物の捉え方が変わって”嫌だな”って思ったら”なぜだ!”って考えるのではなくて、”私はこういう事を望まないのか
”ってそこで止まるようになってきて、それの後側を自分で自分の人生に引き寄せているっていう、そこの部分を理解した後にパニック障害になったからね。だからパニック障害って苦手なものがいっぱい見えるから”あぁこれが出来ない、もうこれが出来ない”ってなるから、すごいいっぱい嫌があるの(笑)
つまり、自分の心の動向ばっかりをグッと見にいっていたから、嫌の反対の好ましいことがたくさん見えてくる。」
年美さん:「好ましいことがたくさん見えるんですね
」
先生:「そうなの。そうなの。嫌なところがたくさん見えちゃうんだけど、その目線をまとめてしまうとパニック障害になってしまうんだけど、でも、その嫌なことがいっぱい見える反対側に幸せの種が実はいっぱいあるから。自分の好ましさを知るっていうね![]()
それを実はみんなやっているの。勉強会で。それを彼女は自らその若さで自分で出来ちゃっているので、自分の好ましさをどんどん見つけてね。後ろ側を見てね
」
今日は時間がないのでこの辺で![]()
いつも嫌なこととか苦労を冬にたとえたりする本をよく見つけます。冬もいつかは春になる、だから今を乗り越えましょう!耐えましょう!みたいな感じの本です。その本を読むたびに、憎悪感がすごく”またまた綺麗事でしょ?”って鼻で笑いながら読んでいたのですが、今回の雪裡梅花只一枝のお話はスッとイメージができたし、この方には失礼かもしれませんが、私の周りで人脈があって人から好かれていて輝いている方は、鬱かパニック障害を乗り越えた方ばかりなので、本当に雪が溶けたら綺麗な花が咲くんだろうなぁって初めて思えました。
どんな心の変化が自分にあったのかわかりませんが、少しづつ変わってきた気がします。