2009.11.19 Thursday
ふたたび水を汲みに行った弟氏は、今度は他の人が桶を水汲み場に
戻すのを待ち、桶に水を入れて柄杓片手に自慢げに戻ってきた。

「おせーよ!」(遅いよ)
と兄氏は悪態をつきながら桶と柄杓を受け取り、
辺りにバシャバシャと水をまき散らした。

「そうじゃないでしょ?!」
と弟氏が言うと兄氏は
「じゃぁお前がやれ!!」
と桶と柄杓を弟氏に渡した。

弟氏は柄杓に取った水を丁寧に墓のてっぺんから
やさしくかけた。 
通常ならたぶんこれで正解で、雑巾があれば墓を拭くのだろう。
しかし、この行為のおかげで先ほど供えたユリの花束は濡れて
花粉が水と一緒に流れ、火を点けておいたタバコが
びちゃびちゃになって地面に落ちた。

さらに念入りに水をかける為に墓の横や後ろに回り込む
弟氏は隣りの敷地に入り込んだり墓に足を掛けたりと
目的の為なら手段を選ばないというか
周りの事が目に入らない感じである。
しかも悪い事に水汲みの際にどこをどう歩いてきたのか
弟氏の靴の底は泥だらけで、きれいにするはずの行為が
どんどん泥だらけにしてしまうという事に
全く気付かないようだった。