ヨーロッパの記録に初めてチーズが登場するのは古代ギリシャ。なんと紀元前8世紀のころです。詩人ホメロスは叙事詩オデッセイの中で「美の女神アフロディーティがゼウスの娘ヘレナをチーズとワインと甘い蜜で育てたため、ヘレナは輝くばかりの美しさと知性を与えられた」という記述があります。もうこのころからワインとチーズは相性抜群のペアだったのですね。その頃のチーズがどのような形状であったのかは残念ながらわかりませんが、同じオデッセイの中でサイキプロスがヒツジやヤギの乳からチーズを作る記述があります。できたチーズは神への供物としても用いられた、といわれていますから高級品だったのでしょう。

その後、帝政ローマ時代になると全ヨーロッパに派遣された兵士たちがヨーロッパじゅうにチーズを広めました。こうして様々なチーズが生まれる土壌ができたわけです。
ところで、ローマ帝国時代のチーズを今でも味わうことができるのはご存知ですか?
「ペコリーノ・ロマーノ」というチーズがそれであると伝えられています。保存食として作られた羊乳のチーズで非常に塩辛く、硬いのが特徴です。