トリックおあデリート | My Favorites

トリックおあデリート

こちらは「読み芝居」とありました

町のジジババ…もといお年寄り達から何か私らも楽しめるものやれと言われて
美目さんが昔お父さまから聞いたお話を読み芝居にしてはどうかと提案します

この時の美目様の「ちょっと近い」って言い方がとても好きでした(爆)

先ほどのワラシちゃんのメイクはこの読み芝居用だったのです
途中顔に「肉」とか書かれてたけど、オニコさんは修正の名人ですね(笑)


このお話は「おばけ」と呼ばれた少年の話

山の向こうでおばあと暮らす男の子は
ある日、おばあから祭りに行っておいでと言われます

ずっとオニのお祭りだから行ってはいけなかったのです
夏の夜空に光っているのはオニのかがり火だと聞いていたのです

だけど今年は
このお面を決して取ってはいけないけれど
お祭りに行っておいでとおばあは言うのです

おばあも一緒に行きたいけれど、足が悪いので一緒には行けない
ひとりで行っておいでと


男の子はでかけていきました

たくさんの夜店を見てまわって

その中で男の子の目にとまったのは「きつねの面」でした

「ここでつけていくかい?」とお面屋さん

「でも、おばあがお面を取っちゃいけないと言ったんだ」

「ここには俺しかいねぇよ、さあ、つけちゃいな」

男の子はおばあのくれた古い面をはずしてきつねの面をかぶります

男の子はお面屋さんにおそるおそるたずねます

「あんた、人間か?」

「おうよ」

オニしかいないと思っていたお祭りに「人間」がいた

祭りに行って「人間」に会えたら言おうと思っていた

「友達になってくれないか?」

お面屋さんは言います

「もう友達だ、これをやるよ」

手に握らせてくれたのはビー玉でした

「次に会う時は俺が何かあげるよ」

そう約束して少年はおばあの家に帰りました

それから時がたつのがとてもゆっくりに感じられた

いつもなら夏が終わると、すぐに秋、冬、春がやってきて

すぐにオニの祭りの時期になったのに

今年はまだ秋も過ぎ去らない

男の子はこっそりとおばあの家を抜け出します

町につくと、そこはやっぱりお祭りのような

不思議な飾りがいたる所にありました

自分と似たような年の男の子や女の子が
かぼちゃのお面をつけて楽しそうに走り回っています

子供達が男の子に声をかけます

「仲間がいないのなら一緒にお家を回ろう」
「なんで?」
「ハロウィンだもん」

男の子は皆と一緒に家々を回ります

やがて

皆の両手がお菓子でいっぱいになった頃

「さあ、お家を回るのはこれでおしまい、パーティーだ!」

そう言って、皆は面をはずしだしました

だけど男の子は面が取れません

「どうしたの?お面をはずさないとお菓子が食べれないわよ」
「早くはずせよ」

なかなかお面をはずさない男の子

もみあっている内に誰かの手が面にさわって
落ちて割れてしまいました

男の子の顔を見た子供達は

「おばけだ、本物のおばけが出た」と言って逃げてしまいました

1人逃げ遅れた女の子も

男の子が近寄ると、身を小さくして震えています

そして男の子は思い出すのです

なぜ自分の回りにおばあしかいないのか

お父さんもお母さんも自分が生まれた時に

「私達はおばけを生んでしまった」と男の子を捨てて逃げてしまったこと

思い出して


男の子はもらったお菓子をそっと置いて

女の子に言うのです


「ごめんな、おばけで」


怖くて怖くて

でもその女の子はとても優しい子でした

「そうじゃないの」

だけどその声は男の子には届きませんでした

仲間を連れて女の子を助けに来た子供達

その声を聞いて駆けつけた大人達の間を男の子は駆け抜けます

雨が降ってきて、帰り道がわからなくなった男の子に声をかけたのは、あのお面屋さん

お面屋さんは男の子にカボチャのお面をくれました

「でも俺、もらってばっかりだし…おばけだし」

「実は嘘をついてたことがあるんだ、俺もおばけなんだよ」

お面屋さんはそう言うと、かぶっていたお面をはずしました

そこにはあるはずの目も鼻も口もありませんでした

お面屋さんは「のっぺらぼう」だったのです

「怖いかい?」
「いいや」
「そうか、やっぱり坊やは俺の友達だ。さあ行きな」
「また会える?」
「会えるさ。友達なんだから会おうと思えばいつでも会えるさ」

そう言って、お面屋さんは男の子を逃がし

「この町も悪くなかったんだがな」と自分の面をはずして

追ってきた人間達を散々おどかして町を去って行きました

その後、そのお面屋さんを見ることも、おばけを見ることもなかったそうな

神様のいたずらか、人間が消したのか?

それを知ってるものはおりません


さあ、どうだ

私好みの作品であろう(お客さん、ほぼあらすじ書ききってますけど)

この話に関しましては二次創作モード発動

それは後ほど(え?)


この舞台

対面式なので観ているこちらは普通に観客なのか

それともなんか出し物やれと言った町の妖怪長老組なのか

ってそんな気分になったりもしましたよ


このお話でのわたくし的泣き所1つ目は

男の子の「ごめんな、おばけで」

だってまだ小さな小さな男の子なんですよ

ぽろぽろぽろぽろ泣きたいのは男の子の方だ

だけど泣かずに

いや、泣けずに

なので私が泣いた(おい)


そして2つめは「お面屋さんとおばあの恋」

え?どこにそんな要素があったのかって?

感じ取りました(おいおい)