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そうか

君はもういないのか


さて先週の金曜日、「熱海殺人事件」が上演されていることに気がつきましてね(←遅い)
当日券に並んでみたんですが会社帰りですからねぇ、当然チケットが手に入ることはなく
なんだけれども「ロビーのモニターでならご覧いただけますよ、無料で」とのご案内

…そんなことしてくれるなら毎日行っちゃうよぉ、Axleとかライフ(爆)

てなことでロビーで拝見してまいりました「熱海殺人事件NEXT くわえ煙草伝兵衛捜査日誌」

「熱海殺人事件」と銘打つものは一体何本観たんだろうなぁ

今回、木村伝兵衛部長刑事は山崎銀之丞さん
熊田留吉刑事は熊武田義晴さん
婦人警官片桐ハナ子が長谷川京子さん
そして犯人大山金太郎が柳下大さんというラインナップ

つか先生に直接教えを受けた人が2人入ってるんですもの
おもしろくないわけがない
実際おもしろかった
2時間があっという間だった
ロビーの椅子も苦にならなかった

なんだけれどもやっぱり「そうか、もういないのか」って思ったりもした

モニター越しだから…というのではなく
充分熱演なのはわかった上での「モア・パッション」

この作品はある程度のパッションもった役者がやればたぶんもうそれだけでおもしろいんだけど
その中に「伝えたい何か」ってのがものすごくものすごくある奴らが演じなきゃ…違うな…
演出しなきゃいけないんじゃないかと思います

たぶん、つか先生全盛期より「差」がない世界になってるんだと思います
いや、本当はとてもあるんだけど、ないように「フェイク」されてるというか

「職工」さんとか「女工」さんって言われても殊更差別に感じないし…てか、久しぶりに聞いたし
「熱海」とか「マイアミ」とかにたぶん若い人は「何か」を感じないと思うし(私の世代でも実は感じない)

そして私自身地方出身だけど、どっちかっていうとコンプレックスはないし

今はそんな時代だと思うので
そのまんまやってはダメなんだと思います

やるからには「今」伝えたいもの、伝えなきゃならないものがないとダメな芝居なんだと思います


それと私が最高にきついと思える設定の「熱海」をすでに観てしまっていたってのもある

それまで観た熱海、それはオリンピックに行けるとなってから知り合った人達だった
その人達からの差別はそりゃ乗り越えていけるかもしれないと思った

でもそのバージョンでは差別しているのは同じ島出身の人達だった

島の男達は皆アイ子を抱いていた
好きだからじゃなくて安いから

アイ子に用事を言いつけたりしていたのは島から出てきた若い女の子達だった
島にいた頃は「アイちゃん」とか「アイ子先輩」って呼んで一緒に遊んでいた女の子達が
東京に来たら「アイ子」って呼び捨てるようになったんだ

島中の人が東京でのアイ子を知っているから
だから連れて帰ることができるのは横綱の金太郎だけで
なんだけれどもその金太郎も東京ではアイ子から見ても恥ずかしい人だった

アイ子は島に帰りたかった、でも帰れなかった
金太郎はアイ子を島に連れて帰ってやりたかった、でも連れて帰れなかった

連れて帰る方法はそれしか思いつかなかった

とてもつらかった
もう狂った中にしか存在しない暖かい島がつらかった
でも私はあの作品がとても好きだったんだ


とか思い出にひたってはおりますが、今回のも充分おもしろかったんですよ
あの独特の言い回しは健在だったし

あ、途中で踊ったダンス
柳下さんと完全にずれてましたよね、長谷川さん(^^ゞ

柳下さんの楽しんごさんも観れてお得感はありました

充分熱演だったんですけれどもやっぱり
あの土俵際で競り勝ったあの一番
彼がしがみつく唯一の誇り、一等大事なもの

今「一番」に執着できる人はどれくらいいるんだろう

そんなこんなで久しぶりに検索したら「北区つかこうへい劇団」が7月に解散というニュースに行き当たりました
ひとつの時代が本当に終るんですね



さて…もうすぐ「武蔵」が始まりますね
ちょっぴり「やっちゃった感」を衣装に感じなくもない昨今ですが(^^ゞ
こちら からなら1000円安くチケットが買えるみたいです
さあそこの君、伝承ホールで待ってるぜ!!