今更ですが月龍(2009大阪) | My Favorites

今更ですが月龍(2009大阪)

初演では「まがりなりにも李家の血が入っているから僕は殺されなかった」みたいなセリフはなかった気がするんですが

なので単に月龍が殺されなかったのは、その時「美しいチャイナドール」を欲しがる顧客がいたのだとばかり思っておりました

そこに送りこむために「最初に仕込んだ」のは「兄さん達」だという薄気味の悪いことも考えてました

男性に比べて女性が考えることは本当に残酷だわ(←考えてるの君ね)


あれほど強いアッシュがゴルツィネやフォックスのような「大人の男」に触れられた時、本能的に身がすくむ

これは幼い頃のトラウマ

「恐ろしかった、声もでなかった。」

よみがえる恐怖

そう、今でも、何度でも


そして、あれほど残酷に、表情ひとつ変えずに命令をくだすユーシスが唯一おびえたのが兄ワンルンの登場の時だった…ような気がするのです

力による支配だったと思うのです

組み敷かれて生きてきたのだと思うのです

もう壊れそうだった

あちらの世界に行ってしまいそうだった

いや、本当はそこは初演でもあまり感じなかったけれども


ただ「死ぬ」のは「僕の権利」だと

あの小さな子はふりかざしていたような気がするのです、「権利」という言葉を

彼に許された最後の盾を


初演洋くんが演じた月龍には

「抗う」なんて言葉、はなから彼の人生にはなかった
涙など流して自分の人生を相憐れむなんてこと、思いつきもしない人生だった
だって物心ついた時には「そういう人生」だったんだもの

そう感じたんですね

あれは抗ったんじゃない、死のうとしたんです、はた迷惑な自殺です

シンに銃を向けられた時「いいよ、当然の権利だ」と目をつぶる月龍は
やっと死神に口づけをしてもらえる花嫁のように幸せそうだった


ああ、思い出って美しい


ただ今回の田渕さんには「李家血を一適までもこの世から消してしまいたい、自分も含めて」というのは初演より感じるのです

なんか「その妻や子にいたるまで」ってセリフ増えてなかったか?


ヨーシスに囚われているのだろうと思う、私も、たぶん演出家殿も

なので、あれを観ている「初演組」は怖くて使えなかったんじゃないか、とかも思ったりした

なのでなので、今ものごっつ田渕さんの作る月龍の方向性に期待している

何よりも憎むべき血が今この瞬間も自分の身体の隅々までもを駆け巡る
それは初演にはない、身体中を掻きむしり、全ての血を流しつくさなければ気が狂ってしまうような恐怖だ


田渕さん、全ての呪縛をぶっこわせ!!!





ちなみに

「たらちね」に対するのは「たらちお」でしょうか

勇気がなくて書き込めない私 m(__)m
(↑質問の時は書き込んだくせにっ!!!)