沙織について考える | My Favorites

沙織について考える

実はあの台詞は

大阪千秋楽が一番正しかったと思っている

彼女は確かに「人を殺すこと」を決断したのだから

産むべきだと言っているのではなく、ただ

「殺される側」にとっては、何一つとしていつも決定権はないのだもの

せめて

業を背負ってくれないか、と思う

例えば

小学校でいじめられるかもしれない
失恋をして泣くかもしれない
道を踏み外してしまうかもしれない
なぜ自分を生んだのかと親を恨むかもしれない

でも

そんなチャンスもないのだもの

だから
わが身や、逝かせてしまった子を嘆くのではなく


「私は今日、初めて人を殺しました」

まぎれもなくそれは

銃で撃つこと、ナイフで刺すこと、首を絞めること
それとなんら変わりはしないのだと心に刻み付けたような
そんな「声が消え入らない大阪」が正しかったような気がする