汝の名、それは | My Favorites

汝の名、それは

マクベス?イアーゴー?キング・ハムレット?
それともヘレン・ケラー?

週末観てきたもの
30-DELUX「シェイクス」

さて今公演、まだ大阪公演が残っております
ネタバレ含む感想ですのでご注意くださいませ

大阪には行きません、もしくはネタばらし上等!な皆々様
どちら様もよござんすか、よござんすね

では参ります!!!


東京千秋楽から遡ること5公演、連続で観て参りました

観る方も体力いる芝居なのですよ
「ピスメ」とは違った体力の使い方をどこかで確実にやっている (^^ゞ

1時間50分の芝居のはずなのに気がつくと3時間劇場にいるという
なんともサービス精神旺盛なユニットです

カーテンコールはある意味、アクサル「RAINBOW」時のように
すんごい勢いで仕込んであった


まあ、それは後々


目当ての柄谷さんは御曹司でした

衣装を見る限り、「ふっ、たいしたことないわね」と侮りがちですが
テーマパークを世界各国にコロコロ作れるワンマン社長がパパのバリ御曹司

3代目にありがちの(←予想)ヘタレで姑息で…でもめっさラブリー

この「めっさラブリー」がポイントです

そう、彼は決してイライザではないのです
例えて言うならロザリア

とあることさえクリアできれば主役となれる資格も才能も充分
意外に人望もあるのです

だって彼のために皆が一致団結するんだもん
彼がハードルを越えた事をあんなに喜んでくれるんだもん
(ある意味、客席も含め)

なんとも幸せなヘタレくんです

悪巧みする顔も、泣き顔も、開き直るその姿も、とても魅力的
どんなことをやっても憎めない
客席を「できの悪い“ジョニア”を見守る親気分」状態にしてしまう
小手形さんに「“ジョニア”をこれからもよろしく頼みます」とか
「ありがとう」とか言いたい気分にしてしまう


アクサルでエースと呼ばれているのは伊達ではないのだよ

この芝居の最高の感動シーンを彼は「ら行」でかっさらう
仕込みも充分

そして殺陣のフォルムのなんと美しいこと

わたくし常々、西洋剣で行う殺陣の重要ポイントは
剣を持つ右手ではなく、かかげる左手であると思っております
きちんと右手と対をなして動かなければなりません
あくまでも優美に軽やかに
手の向きも形も大事です

柄谷さんの左手、実に美しいです

今回、他に良きかな…と思われたのは
森さん(リチャード3世)
佐野さん
押田さん(ロザライン)
飯田さん(ギルデスターン)

そして

殺陣において

何人斬るか
いかに速く多手を繰り出すか
私にとって大事なのはそこではないのです
まずは1つ1つがいかに決まるか
そこに役の気持ちが乗っているのか否か
それが観客にきちんと伝えられているのかが重要なのです

私が観たいのはただの「技」ではなく「演技」
演じてこその殺陣なのですから

柄谷さんの殺陣は本当に好き

メインの殺陣もマクベスの殺陣もどちらも演技者としての殺陣ですもの
なんていうのですかしら
舞台の上で「客に観せる」が前提の殺陣なのです
彼は役者ですから

「オーミオー!」の言い方もクイクイッ!って手も大好き

オープニングの倒れっぷりも妙に色っぽくて
なんかいけないものを見てしまった感までかもしだしていて本当にステキ

実に愛すべき「倉木ユタカくん」でした


そして「倉木ユタカくん」の魅力を最大限に見せるには
絶対この人が必要ってのが林さん演じる「小手形イチロウくん」

「損得勘定あるように見せかけて」実はめっちゃユタカくんを愛しちゃってる

「本物のユタカくん」を大好きなんだ

ヘタレで姑息で
微妙な微妙な微妙な実力を親の七光りで埋めてて
ユタカくんのマクベスでは誰も泣けないことも知ってて
それでもユタカくんが大好きなんだよね

そしてその愛情の表し方は
ある意味由緒正しきアクサルファンのよう
究極のツンデレ
いいのよ、そこにわかりにくくとも「愛」があれば

それに彼はサリバン先生なのだもの

本当に本当に本当にユタカくんが弱っている時は
どんなことをしても助けてくれるのが、きっと小手形くん

その時以外は飄々とサバサバと

ユタカくんが安心してあのユタカくんでいるためには
小手形くんは絶対に必要なのです

けれどもひとたびハムレットをやらせると天下一品な「ハムの人」

真面目にやってるシーンは、めっちゃ男前なハムレットです
そのまま1本行っちゃお!てな感じ

んで「尼寺へ行けい!!」の「行けい!!」がとても好き


さて問題は、この2人の「親友力」がすっごい強固で

なので、とても良いのだけれど、江口とメイと匠の基本の三角形
微妙に輪郭がぼやけたように感じるの

小手形くんがユタカくんを大事に思うように
お互いがお互いを大事に思っているのか?とか

ユタカくんが小手形くんを必要とするように
お互いがお互いを必要としているのか?とか

いや、熱く見せるのが良いと言っているわけじゃなくて

ヘレン・ケラーの場面以外でも
ユタカくんと小手形くんは本当にふつーにさらっと「親友」なんです
いい感じで

心の奥底で「大事」そして「必要」
表面には見えにくいけれど

「親友」って難しいものだと思うのです

「親友になろう」って言ってなれるものでもなく

いつの間にかさらっとそこにいるものだと思うのです

見つけ出せた人はとっても幸せだと思う
それくらい貴重で、めったに手に入れられないものが「親友」

ユタカくんと小手形くんの「無理してない感」が
なんとなく江口くん・匠さんの「親友力」を凌駕している感じがして


でもこの三角形

個々にはとても良いのです

佐野さんも伊藤さんも舞台では初めましてなのですが
正直侮っておりました
大変失礼いたしました

えっとね、正直江口さんを佐藤キャプテンで観てみてー!ってのも
ちらとはあるのですけれど

でもやはりこの役は佐野さんだなぁ…と思う気持ちもあるのです

バーンとライトが当たった時に、やはり魅せ方が違うと感じるのです

んと、前述しました剣を持つ手と反対の「かざす手」
これがまさしく王子様なんです
レースのお袖が似合うのです

ジャニーズ恐るべしです


そして伊藤さん

お人形さんだよーーーーーーーー!!!
部屋に飾っておきたいよーーーー!!!

以前、藤谷美和子さんがつかさんに出ると知った時
「勘弁してくれよ!」とか思ったもんですが
蓋を開けてみると「笑顔で30分もたせることができる人がスターさんなんだ」
と実感したのですが、本当にそうだと思います

で、伊藤さん、笑顔だけではないのよ、良いのが

まず声が良いのです

大事です
どうか今後も続けてくださいますように


そして清水さん
久々の男前
「BLUE」の女子も良いけれど、やはり男前が似合うんです

殺陣におきましては、そこはもう出てきただけで貫禄ですから
まごうことなき強き男だというのがわかる


そう、個々がほんとに良いだけに、なんとなーく「惜しい」気がするのです
結びつきの輪郭の薄さが


さて他の人のことなども

柄谷さんと「キング・オブ・ヘタレ」の座を争っているのが郷本さん
吉田で観せたあの鬼気迫る色気をかなぐり捨て
彼女いないのがわかるよーな
結婚したら絶対かかあ天下だなと想像つくような

なんとも可憐なロミオ嬢

男前なジュリエットととてもお似合いでした


ほんと
柄谷吾史と郷本直也に舞台上で「からたにっき」と「散歩道」を再現させてみようと思いついてくださったIKKANさん

ありがとうございました!!

あなたは人の本質を見抜く天才的な目をお持ちです!!
舞台の上のIKKANさんもとてもステキなので、ぜひぜひ両立させてくださいね


んで、柄谷・林・郷本にジャニーズよりの使者佐野さんを加えれば見事に四銃士
乙女の夢見るナイトが降臨
さあ、お好みはどの王子?

ええ、タイソンさんが入っていなければ「チーム・イケメン」どころか
「チーム・王子」でもいけましたことよ

…タイソンさん、男前ですけどね
…イケメン…王子…とは、ちょっと違う気が…てへっ!(←かわいこぶって逃げてみる)


タイソンさん演じる宗像は色気のあるずるい男でした
でももてるのわかる気がする宗像さんでもありました

サインの時は宗像さん以上に優しい方でしたよ
甘えまくってきました、甘えすぎです、ごめんなさい

タイソンさんは
タイソンさんを初めて知った日から
4000人動員した今日まで
ファンに対する態度はあまり変わっていない気がします

こんなわがままファンに「感謝と力」をくれました
大人の男でした

次はぜひとも殺陣など見せていただきたいです


小野ジュリエット妃香里さんは初めましてが
私が見たセーラームーンシリーズの中で最高に男前のプリンス・デマンド様だったんですが
今回もすっごく男前でした

いや、綺麗なんですけど、そこはかとなく男前な雰囲気がある

あのスカートばさーーーーっと持って段を上がる瞬間が最高に好き


押田さんはめっちゃかわいかったです
あの手の友人がいたら、結婚式まで彼氏は紹介しないこと
結婚した後も旦那のいる家に招待…はなるべく避けて外で会うようにします
ぜってー取られるーーー!な不思議魔性系な女の子を作ってました
ロザラインの衣装もかわいくてさぁ

前回のらんまるちゃんとは全く違うのですが
殺陣も本当にステキでした


森さんの殺陣と集中力も大好きでした
「お客さんのためです!」のシーンと
「名案を思いつこう」なシーンと
柄谷さんの倒れた後の「やってもーたーー」なシーン

キングハムレットとリチャード3世が同一人物とは思えない (^^ゞ

そして何気にら行のシーンで下川さんに頭なでられてるのがツボでした (^^ゞ


そう、下川真矢さん

プチラブです

どうしてこう私は動ける男に弱いのか

しかもイケメン

飯田さんの肩を借りての回転を見た瞬間、かーなーりートキメキました
前回「BLUE」での岩田さんの「蹴り」を見た時と同じトキメキです

「ははうえー!」もめっさラブリー

即効、検索をかけてみましたら
なにやら昔見知った劇団の名前など出てきてびっくりしましたよ

岩田さん同様、今後大注目していきたいと思います
ブログを持っていらっしゃるので、岩田さんより動向がつかみやすい
ありがたいです


さて私が見た分の一言感想と、出し物など

あ、その前に

江口久之くんと匠士也さんの名前の由来
IKKANさんが前説で教えてくれました

江口さんは「シェイクス」なんだそうです
「シェ」→「江」、「ク」→「久」、「ス」→「之」

で、シェイクスピアと言えばグローブ座
匠は「G」と似ている気がするとのIKKANさん談
グローブとは地球のこと
そう「士也」で「地」なんだそうですよ


前説と言えば
東京千秋楽、IKKANさんの脚本家権限で
柄谷さんが「がんばってるシーン」で客席も応援できることになって
一緒に「がんばってーーー!」って言う事ができました
すっごく嬉しかったです
IKKANさん、ナイスお仕事!!


さて、今度こそ一言感想と、出し物です

12日ソワレ一言感想:伊藤さん・飯田さん
何度言われてもお客さんの方ではなく清水先生の顔を見てお話している飯田生徒くんが
むっちゃかわいかったです
この飯田さんの「殺陣いけてますか?」の不安顔は絶品です(^^)v

この日の仕込みは「倉木パパを妖精パックとして飛ばせる」
全員がかりでしたよ

そして「Yo!Say!」で、きめてました
柄谷さん付


13日マチネ一言感想:シンリンズ(森さん・林さん)

期間限定お笑いユニットを組んだ模様です
この日の仕込みは「BLEACH」
佐野さんが恋次、本物の9番隊隊長も出てきてお得感ありでした

「森山より俺の方が良くねー?」

兄君にしか言えないセリフですね、ステキでした


13日ソワレ一言感想:小野さん

「紅一点で」という小野さんに伊藤さんが「なんだとー!」
押田さんは剣持って出てまいりした

その後「どっちがロミオか?」で佐野さん・郷本さんが乱入
小野ジュリエットに決めてもらうことに

郷本さん「最初に会った時から決めてました」とどっかで聞いたようなセリフで告白

どっちもごめんなさい、になるかと思いきや、さすが小野デマンド様

「釣り合いを考えるとこっち」と身長差で佐野さんをばっさり
泣きながら去っていった佐野さんを追いかける郷本さん

カーテン端から段差でダブルロミオが手をふってくれました


14日マチネ一言感想:柄谷さん・郷本さん

「チームヘタレ」改め「ヘタレ5」参上
ちなみにメンバーは

ヘタレレッド:佐野さん
ヘタレブルー:柄谷さん
ヘタレイエロー:郷本さん
ヘタレグリーン:林さん
ヘタレピンク:タイソンさん

「ヘタレシルバー・清水さん」が新規加入


14日ソワレ一言感想:佐野さん

「4th Live Birds」から佐野さん参加の企画は持ち上がっていたとか
稽古休みの日、清水さんと殺陣の練習を公園でやったりしたそうです

「大きな怪我もせず東京千秋楽を迎えられてよかった」

いよっ、座長!!!

千秋楽ににつき演出の毛利さん、脚本のIKKANさんもご登場

観客の「がんばれー!」に感動していた毛利さんがめっさラブリーでした


この日は「ヘタレ5」が「ヘタレンジャー」に昇格
新たに
ヘタレホワイト:小野さん
ヘタレベージュ:下川さん
ヘタレワインレッド:飯田さん
ヘタレうすピンク:押田さん
ヘタレモスグリーン:森さん
ヘタレサラリーマン:辰巳さん
ヘタレキャラメルマキアート:大場さん
ヘタレ伊藤裕子:伊藤さん

スーパーロボ順二:清水さん
ロボのメンテナンス毛利博士:演出毛利さん
毛利博士のメンテナンス:IKKANさんが加入

(↑一生懸命思い出してみました、間違ってたら後々修正いたします)

大阪に向けてパワーアップすること間違いなしの「ヘタレンジャー」

…DVDの特典映像になることを期待します

…IKKANさんが「次回作はミュージカル・ヘタレンジャー」って言っていたので
…ヘタミュの可能性は…ある?

ええ、希望いたしますともさ!!!!


さて、カーテンコールリーダーをやりとげた佐野座長

「大阪は柄さんにまかせます」と
…郷本さんに向かって言っておりました

がんばれ、チームブルシャ
まずは名前を正確におぼえてもらおう (^^ゞ


「じゃあ、僕が柄さんで、柄さんが郷ちゃんって呼ばれればいいやん」
と、全くもって解決策とは思えないラブリーなボケを郷本さんがかまし
(↑マジメに考えているのが更に良し)

「どっちでもいいや」(^^)と森さんが締め

…まことに楽しいメンバーでござりました

でも大阪までは行けません

…行けませんからね
…たぶん行けないと思う
…行けないんじゃない…かな…

柄谷さんは潜伏魔法の名手なので、ジワジワ来るのが要注意です

うっかり大阪行きのバスに乗ってしまわぬよう踏ん張りたいと思います

2週続けて大阪行きなんて…ダメダメよーーー!!


■追記

やっぱり大阪には行けませんでした
あれからずっと算段してましたが、体調的にとても無理
そうともなると、ますます観たい気分がつのりますね

思い返すにつけ、やはり江口は佐野さんでよかった…って思いました
なんかしっかり座長してたなぁって思うのです

「やっぱり聞いておいたほうが………教えて」あたりとても好きだし
「おにいたま」もかわいかったし
「当たり前だろ、俺の妹だぞ」も良かったし
その後のびっくり→大笑いもステキだったし

なのでここはもう一手

匠だけが悪いんじゃない
自分も止められなかった
でも匠を恨まないといられない
妹を創りださずにはいられない
死んだことなんか認められない
そんなジリジリ感がもっと見られたら、その弱さに、その哀しさに
乙女はずっきゅーんきそうな気がします

伊藤さんの「手堅ーーい!」も好きだったなぁ
パックのピヨピヨもかわいかったなぁ

この芝居は伊藤さんのセリフに始まり
伊藤さんのセリフで終わるのです

それがとても心地良かった

そして「アゲハ蝶」にのせて繰り広げられる日本刀の殺陣
劇団風魔はなんとなく「オレノカタワレ」を思い出させてくれました

斬られた飯田くんが追いつめられながらも刀と眼をずっと伊藤さんに鋭く向けている所とか
それをかばって立つ清水さんの「行けっ!」ってのもかっこよかったです
清水さんの殺陣はやはり日本刀の方が似合う

劇団において、休んではいけない舞台というのがたまにある
アクサルで言う所の「PEACEMAKER」
30-DELUXで言うなら本作と「オレノカタワレ」だったと思いますよ



■追記

IKKANさんブログの「小手形イチロウ」くん裏話を読みまして
わたしくの受け取り方、全くもって間違っていることが判明 (^^ゞ

小手形くんは私が思うよりずっと大物でございました

IKKANさんの考え方が私よりずっとずっと大きいってことですね


『そうか

「どうせ死ぬんだ」

どうせ死ぬんだから
生きてやろう!


いつかどうせ死ぬんだから
それまで精一杯、
後悔のない生き方をしてみよう。


俺が生きていく上で
死なないで済んだ
そのきっかけとなった演劇。


この演劇に感謝していこう。』


IKKANさんのその言葉は、今の私にはずしんときます

さてさて、どうしよう

ちょっくら真面目に考えねば

誰よりもつきあいの長い友達、このお芝居くんとこれからもより長く一緒にいるためにはどうするべきかを