誰もが気付かぬうちに 何かを失っている。
フッと気付けばあなたはいない。
思い出だけを残してせわしい時の中 、
言葉を失った人形たちのように、
街角に溢れた ノラネコのように、
声にならない叫びが聞こえてくる。
もしも もう一度あなたに会えるなら、
たった一言伝えたい。
ありがとう ありがとう。
11年前、初めて付き合った彼女さんが震災のときに亡くなっていたという話を聞いた。
それが震災の一週間後ぐらいだったか。
人間というのは楽しい思い出というのはずっと覚えているみたいで、
それを11年ぶりに再会したあちらのお母さんに聞いたとき、
「なんで今の俺にそれを言うの?」
って思った。
彼女のお母さんは俺の顔を見て、
「全然変わってないね」って。
なんかね、それを言われたとき俺は11年前彼女と一緒にいたことをふつふつと思いだしちゃった。
でさ、彼女のお母さんが「震災のとき、あの子、死んじゃってね」って言ってくるんだよ。
俺さ、そのときどんな顔したらいいかわかんなくてさ。
仕事行く前にたまたま会っただけで、
なんて言っていいかわからなくてさ、
とりあえずお母さんの手を握って、ちょっと泣いた。
悲しいとかそういうのじゃなかったんだけど、
でも仕事行かなきゃって思って仕事場に向かったんだよ。
俺が今も働いてる店には物を求めてならぶ人がいて。
その人たちのために頑張らなきゃって。
でもその日さ、俺早退したんだよ。
なんかね、働けなくなった。
で、歩きながら帰ったんだよ。
で、いろんなことが頭ん中駆け巡ってさ。
11年前、東京に出るまで付き合った彼女。俺は幸せにしてやることができなかったなって。
別れを切り出されたとき、せいせいしたわって心にもないこと言っちゃって。
本当は好きだった。
東京いた時もずっとさ。
でも東京いた時大変だって、
彼女の記憶がどんどん薄れていくんだよ。
忘れたくないと思ってたことなのに、
忘れなきゃと思ってたことなのに。
でも彼女は忘れてほしいって望んだのかもね。
で、東京から逃げるように帰ってきたときにふと思い出したんだ。
あ、そういやあいつのいる土地だって、
あいつは建築デザインの仕事に就きたがってたからつけたのかなって。
俺は、いろんなことで失敗して仙台に戻ってきた。
でもあいつのことだから成功してるだろうなって。そんな感じでふと、ね。
で、そこからまた働いていいところまでいったとき
「俺ここまで頑張ったよ!褒めて!」
っておもっちゃった。
俺馬鹿だよね、別れた彼女に褒めてもらいたくて仕事してたのかって。
でも結局やめちゃってさ。
んで今働いてるところで働きだして、もう3年か。
で3,11の地震が来て、
俺、なんか一生懸命になっちゃって。
俺に出来ることってこれくらいしかできないなぁってさ。
仕事場で一生懸命働いて物資に困ってる人に笑顔を届けたいとかさ。
なんかそんな感じでがむしゃらに。
なんかね、一生懸命だった。とにかくあのときは。
で、電気が通じてパソコン立ち上げて、スカイプつながって、
チャットグループのやつらの声聞いたときにボロボロ涙出てきてさ。
なんとか笑わないととか思っちゃったりさ。
でもさすがに区切り区切りで思い出してたあいつが死んだって聞いたときはさ、
もうなんか5時ぐらいで強引に仕事あげてもらって、
帰路でわーわー泣きながら帰ってた。
悲しかったのか、
なんなのかもうわけがわからない感情で、
家に着くまでに声もかれて。次の日も仕事だったのに。
・・・あいつが生まれ変わっても多分さ、
「あんたと一緒になるのはいや」
って言われそうだけどねw
でもね、あの時お前に1回もいえなかった言葉を言おうと思ってね。
「愛してる」「好きだ」とかさ、俺はよく言ってた。
だけどね、付き合ってるとき、お前には一回もいったことがない言葉があったね。
だからさ、いつかそっち行ったときにもう一度きちんと言うよ。
俺は文章屋だからさ、文字に残しておかないと不安でね、
そしてこれを書いたらお前を忘れることにする。
ありがとう。
http://www.youtube.com/watch?v=pr_iT-qF34c
レトロゲーが大好きなねかふぇさんののんびりとした日記です。
