結婚して2年、私は待望の妊娠をした。

 

嬉しかった。

 

私と同じように、相手も嬉しいだろうと信じて疑わなかったから、

妊娠を伝えたときの、アイテの関心のなさが全く飲み込めなかった。

 

でも、あまり考えると寂しさに落ちてしまいそうで。

 

違和感に目を背けて、普通に生活していた。

 

 

 

アイテは、海外出張が多い生活をしていた。

 

その頃は、リビアに長期で出張に行っていた。

 

 

妊娠7ヶ月の頃、切迫早産で、私は入院することになった。

 

完全安静の生活で、24時間点滴を刺しっぱなし。

お風呂もなし。

 

初めての子供が早産で生まれてしまうかもしれない。

私は不安で、リビアの相手に電話をした。

 

「あ?そうなの?ふぅん」

 

そっけない反応・・・・

 

 

それから私は3ヶ月間入院することになるのだけれど、

アイテから電話がかかってくることはなかった。

 

寂しくて・・・

 

でも、私に気を遣ってか、アイテへの不満をはっきり口に出せずにいる

両親への申し訳なさが先に立った。

 

「どうしてアイテくんは電話もしてこないんだろうなぁ」

ボソリとつぶやく父に、

 

「きっと忙しいんだね。お仕事でいっぱいいっぱいなんだよね」

 

そう言った。

そう思い込もうとしていた。

 

 

アイテのこういう反応は、出張先に女が出来て楽しんでいるからとか、

そういう理由ではまったくなくて。

 

ただ、「無関心」。

 

 

私に、「無関心」。

 

たった一人の相方が、いまどんな状況なのか、初めての子供がどうなっているのか、

すべてに「無関心」。

 

 

なんて残酷な言葉なんだろう。

 

「無関心」。

 

私のことは、「どうでもいい」。