今回からアトピー性皮膚炎に関する記事を書いていきます。
 
誰しも興味のある話題というわけではないと思いますが、お困りの方も多いと思うのでまとめてみようと思います。
 
 
今回はアトピー性皮膚炎とドライスキン(乾燥肌)についてです。

 

 

【目次】

1.アトピー性皮膚炎の有病率

2.なぜドライスキンになるのか?

3.ドライスキンの治療

 

 

【1】アトピー性皮膚炎の有病率

まずアトピー性皮膚炎の方がどれくらいいらっしゃるのかを調べてみました。
 
厚生労働省の資料によると、
 
4か月~6歳:12%程度
20-30代:9%程度
 
 
その後も年齢とともに有病率が低下していきますが20-30代でおよそ10人に1人が罹患していることを考えると重要な問題であることが分かります。

 

 

 

【2】なぜドライスキンになるのか?

アトピー性皮膚炎の特徴はカサカサしたドライスキン湿疹です。

 
人の保湿機能は水分蒸散量という指標で比較されます。
 
水分蒸散量とは簡単に言えば
“皮膚からどれくらい水分が外に出て行っているか”
です。
 
この数値がアトピー性皮膚炎の方では通常の2倍
さらに言うと、湿疹のある場所では4倍も蒸発しています。
 
その結果乾燥し、ドライスキンになってしまうのです。
 
 
 
ではなぜ、水分蒸発量が多いのか?
 
 
2つの理由があります。
 
①遺伝的に保湿成分が少ないこと
 
②皮膚の炎症によってバリア機能が低下していること
 
 
これらによってアトピー性皮膚炎の方はドライスキンになりやすいのです。
 

 

 

【3】ドライスキンの治療

ではどう治療していけば良いのか?

 

ドライスキンになった原因を振り返ってみましょう。

すると、おのずと治療方針が決まってきます。

 

 

①遺伝的に保湿成分が少ない
保湿剤を十分に使用する。
 
②皮膚の炎症によってバリア機能が低下していること

炎症を抑える。

 

 

①については言ってみれば当たり前のことになりますが、②については少し説明します。

 

アトピー性皮膚炎の炎症を十分に抑える有効性、そして安全性が期待できるものとして

 

・ステロイド外用薬

・タクロリムス外用薬

 

が挙げられます。

 

治療開始時や病状悪化時にはステロイド外用薬を十分に使用して落ち着かせます。

 

そして安定後にはステロイドを減量するか、タクロリムス外用薬に変更します。

ステロイドを漫然と長期投与すると様々な副作用が出うるので注意が必要です。

 

 

【最後に】

今回はアトピー性皮膚炎とドライスキンの関係、そしてその治療についてお話ししました!

 

次回は普段のスキンケアに関してご説明していこうと思います!

 

ありがとうございました!