連投失礼します。

とっくーです。


前の記事にも書きましたが以前開設していたブログに巻き寿司のおばあちゃんのはなしを載せたところ思いの外皆さんの反響が大きくすこしビックリしたことを思い出しました。


今回はその話をもう一度したいと思います📖


私がそのおばあちゃんに初めて出会ったのは今からおよそ5〜6年前の冬、羽曳野の図書館でのことでした。




最初Tさんが眼鏡ケースを落とされ、「これ落としてますよ。あなたのちゃいますか?」と言ったら、「これさっきからずっと探しててん。おおきに、ほんまにありがとうな。」という他愛のない会話から始まり、会うたび少しずつ言葉を交わすようになりました。

そのうち隣の談話室で会うようになり、かきもちや水ようかん、マッカ(マクワウリ)などちょっとしたお土産をくれるようになりました。


そしてあくる年の冬、節分の頃「あんた、巻き寿司いらんか?」といって巻き寿司まるまる一本とひじきと薄揚げの入った煮物を私に下さったのです👹


巻き寿司の具材はアナゴ、キュウリ、タクアン、椎茸、かんぴょう、金時人参、高野豆腐などです。

椎茸やかんびょう、金時人参、高野豆腐はしっかりとお煮しめになっていてよく味が染み込んでいましたおせち


巻き簀でしっかりと巻かれていて一口頬張ったら海苔の磯の香りがプーンとしてちょっと甘いシャリと具材の旨さが一気に押し寄せてきて我を忘れて夢中でガツガツ食べてしまいました(汗)

我ながらご本人の前で恥ずかしいことをしたと思っています。


その際「巻き寿司にウナギが入ってるって珍しいですね。」と言ったら「アホっ、これはアナゴやっ」と大笑いされたことも覚えています(恥)


お孫さんや親戚の方に配るために節分当日に大量に巻き寿司をつくると言っておられました。

あと焼きイワシと煮麺(にゅうめん)も。

だから節分の前の日は大忙し、夕飯も軽くうどんで済ませると言ってましたね爆笑


奈良の田舎町から大都会大阪に働きに出てきて20代半ばで結婚、しかし早くにご主人を亡くされ女手ひとつで娘さん2人を立派に育て上げた。そういう人だからこそ出せる味といいますか巻けるお寿司だと私は思います😊


巻き簀の上に焼き海苔と寿司飯をのせ。タクアンやきゅうりを芯にして巻き簀でぎゅっぎゅと巻いていくそういう光景が目に浮かびますおばあちゃん


私が「このお寿司ほんまに美味しいですね。」

というと「こんなんそこらへんのばあちゃんが巻くただの田舎巻きやけどな」と謙遜していらっしゃいました😊


その後もしきりに声をかけてくださり「小芋の炊いたんいるか?」「高野豆腐炊いたけどあんたいるか?」、「栗ご飯炊いたけど持って帰るか?」など色々世話を焼いてくださいました。


月日は流れ新型コロナも終息しかけたある日の午後、図書館で本を読んでいると知らない男性から声をかけられ「なぁ、実はオレTの身内なんやけどあんたばあちゃんのこと覚えてるか?Tは今高齢者施設で暮らしてる。認知症もだいぶん進んできてるからたぶん今会ってもあんたのことは分かれへんと思う。あの時はありがとうな。感謝してる。」と言われました。

こちらも「あの時は本当に

ありがとうございました。Tさんにもよろしくお伝えください」と言ってその場を後にしました。


帰り道、心にぽっかり小さな

穴が空いたのを覚えています。

Tさんあの時はどうもありがとうございました😊


今日の一曲


平井堅 桔梗が丘