今回は、チーム内の連携ミスが原因で、非常に有望だった大きな契約を逃してしまった痛い失敗談についてお話しします。

◆順調な滑り出しに見えた新規プロジェクト

ある外資系のクライアントから、弊社のデータアナリストが直接ご相談をいただいたことから話は始まります。データに基づいた彼の提案はクライアントから高く評価され、年間契約とは別の大型プロジェクトとして予算化が決定。非常に順調なスタートを切りました。

早速、データアナリストはコンテンツディレクターとコピーライターをチームに招集し、プロジェクトの背景、目的、そして具体的な作業内容とスケジュールについて説明を行ったそうです。

その後、プロジェクトはPoC(概念実証)のフェーズに移行し、初期のテストは順調に進んでいるように見えました。上司もその進捗には満足しており、誰もがこのプロジェクトの成功を信じていました。

◆1ヶ月後に発覚した、致命的な「勘違い」

しかし、プロジェクト開始から1ヶ月後。データアナリストが進捗確認のために再度チームメンバーを集めた際、衝撃の事実が発覚します。

コンテンツディレクターとコピーライターは、依頼されたタスクに全く手をつけていなかったのです。
彼らからは「リソースが不足しているので、外部のパートナーに依頼するのはどうか」という提案が出てきました。

どうやら、プロジェクトの初期段階で、担当者間に致命的な認識の齟齬が生まれていたようでした。「誰が、いつまでに、何をやるのか」という責任範囲が、驚くほど曖昧なままプロジェクトが”見切り発車”してしまっていたのです。

急いで営業担当も交えてスケジュールの再調整を行い、クライアントに事情を説明しましたが、当初の計画からの大幅な遅延は避けられず、最終的にこの案件は競合他社に発注されることになりました。非常に大きな機会損失です。

◆この失敗から学ぶべき、プロジェクトマネジメントの教訓

一人の優秀な担当者が案件を獲得しても、チームとして機能しなければ意味がありません。今回の手痛い失注から、私たちは3つの重要な教訓を学びました。

1.  キックオフで「握る」べきことの徹底:

プロジェクト開始時に、関係者全員で「目的」「各々の役割と責任範囲(RACI)」「全体のスケジュールとマイルストーン」「コミュニケーションルール」を明確に合意すること。口頭での説明だけでなく、必ず議事録やドキュメントに残し、全員の合意形成をすることが不可欠です。
2.  「進捗の見える化」を仕組みで行う:

「順調そうだ」という感覚的な期待に頼るのではなく、週次での定例ミーティングや、タスク管理ツールを用いて、誰が見ても進捗がわかる状態を維持することが重要です。
3.  役割を越えた当事者意識を持つ:

今回、「依頼した側」と「受けた側」で当事者意識に大きな差が生まれてしまいました。データアナリストだけでなく、コンテンツディレクターやコピーライターも「このプロジェクトを成功させる責任者は自分だ」という意識を持てていれば、もっと早い段階で疑問や課題を共有できたはずです。

この失敗は、特定の誰かが悪いという話ではなく、チームとしてプロジェクトを推進する仕組みそのものに問題があったと捉えています。
この苦い経験を糧に、二度と同じ過ちを繰り返さないよう、プロジェクトの進行プロセスを現在見直しています。
ただ、いまだに弊社では「議事録を残さない」。「会議の目的が不明確」 が常態化しています。倒産するかもしれません。

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