Webマーケティングの現場で起きた、ヒヤリとする失敗談を共有します。今回は、チーム内のコミュニケーション不全が招いた、リソースの無駄遣いに関する出来事です。
◆チーフの指示「至急、SEOの調査をお願いします」
当時、デジタルチームのチーフ(肩書きがチーフ)が、データアナリストに対して緊急の調査依頼を出しました。依頼内容は、特定のサイトに関するSEOの調査でした。
データアナリストは他の重要なタスクを複数抱えており非常に多忙でしたが、チーフから「急ぎで」と強く念を押されたため、他の作業を中断。優先度を上げて、約2時間を費やして依頼された調査を完璧にやり遂げました。
そして調査完了後、すぐにチーフへ分析結果を共有しました。
◆事態が動いた、調査報告への衝撃の返信
状況が変わったのは、データアナリストが報告を送った直後のことでした。チーフから、信じられない内容の返信が届いたのです。
「ありがとうございます。ですが、こちらも自分で調査を行い、今回はその施策は実施しないことになりました。クライアントにも連絡済みです」
データアナリストが緊急依頼と信じて費やした2時間は、チーフの勝手な判断と報告怠慢により、完全に無駄になりました。
これは業務上の「方針転換」などではなく、完全に「タスク管理の放棄」と「チームメンバーへの配慮の欠如」でした。
◆この失敗から得られた3つの教訓
データアナリストの貴重な時間と、会社がその対価として支払っている給与が無駄になってしまったことを、チームとして深く反省しています。彼の善意とプロフェッショナリズムが踏みにじられる結果となってしまいました。
この痛い経験から、私たちは3つの重要な教訓を得ました。
「担当者任せ」にしない文化を作る: タスクを依頼する側は、依頼した事実を忘れたり、途中で放棄したりしない責任があります。特に緊急の依頼については、依頼者と担当者間だけでなく、チーム全体で進捗を可視化する仕組みが不可欠です。
「おかしいな?」という感覚を大切にする: 「なぜ今、他の重要タスクを止めてまでこの調査が必要なのだろうか?」という依頼の背景を最初に確認するべきでした。依頼の意図や目的を深く理解しようとすることが、無駄な作業を防ぐ第一歩になります。
失敗をオープンにし、チームの財産にする: 今回の件を個人の問題で終わらせず、チーム全体で共有し、再発防止策を話し合いました。結果、「緊急タスクを依頼する際は、必ずその背景と目的をテキストで明記する」「依頼を中止する場合は、判明した時点ですぐに担当者へ連絡する」という基本動作を徹底するルールを再確認しました。一個人の時間は、チーム全体の貴重な資産であるという意識を持つことが重要です。
同じような課題を抱えているWeb担当者の方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
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