ギターってのは女みたいなもんだ。
ボディは括れてるし、穴も開いてる
と、某大御所ギタリストの名言。
実にそのままというか、そのまますぎて。
でね、
いい音を出すには、そのギターを理解しないといけない。
何度も何度も弾いてやっと少しわかってくる。
その繰り返し。
新品のピカピカギターが、最初から手に馴染んだら
実におかしな話だ。
よほど相性のいいギターなんだろう。
いや、その煌びやかさに騙されているだけかもしれない。
新品のギターが大嫌いだ。正確に言うと嫌いになった。
オールド、ヴィンテージと言われるものの方が好きだ。
いったい手元にくるまでどんな人間に弾かれ、ブン投げられてきただろう。
そこには歴史と傷が幾多にも重なっている。
一見、ロマンのある話。
でも
ギターはただの事切れた木である。
ギター好きのやつは死んだものが好き。
形の崩れないそれに施された塗装は死化粧。
でも、弾いているとだんだん理解が深まる。
自分の感情を音で表現できる死んだ木。
動かぬ物だから、自分の思い通りに操れる。
思い通りになってくるから好きになるのか。
人間はやはりわがままなのかもしれない。
interviewer 『あなたにとってのギターとは?』
Kurt Cobain『う~ん…死んだ木』