タンク補充の輸送ルート、残量から自動設計 YEデジタル

 

 

 

安川電機系のYE DIGITALは、飼料タンクの残量を把握する技術に、「最適な補充ルート」を設定する機能を追加開発した。

 

これにより補充が必要なタンクのみをルートに設定でき、運送の無駄を省くことが可能となる。これによりトラックの走行距離は6%削減できたとしている。

 

2024年問題といわれる運送業界の人出不足、また無駄なルートを通ることによるCO2排出などへの対応が期待される。また飼料タンクだけでなく様々な業界への展開も期待できるだろう。

 

この技術開発もそうだが、「何が問題か」を把握して、それに対するソリューションを提供することが重要だと認識させられる。

 

残業規制の猶予期間満了からくる2024年問題はニュースでも大きく扱われていた。運転手不足への対応には、「どんな無駄が存在するか」を明らかにして、その無駄をなくす方法として新たなソリューションを提供できたよい事例だと思う。

 

この技術はこれだけでなく、「タンク残量の監視により飼料製造の最適化」も同時に行える。

 

いつ発注が来るかわからない状態では「在庫を持って対応する」ということが行われていたと推定される。この場合、作りすぎの無駄、廃棄の無駄などもあったかもしれない。

 

いくつかの社会課題に対し、それを解決する手法を提供することにより、顧客に大きな付加価値を与えている。かなりの好事例だと感じる。

 

これまでの日本的な考えではシーズ起点の開発が大きかったと思われ、いまだにその考えから抜け出せない管理職も多いだろう。「いいものができました。つかってください」では通じない。

 

今後はニーズ起点でいかに対応できるかが日本の浮沈のカギを握っていると思われる。