イオン、ライオン、楽天・・・先進企業による「デジタル物流改革」の最前線
AI、デジタルデータ、ポイントを活用したサプライチェーン最適化の手法とは
物流にはいわゆる「2024年問題」が迫っている。
2024年4月からの労基法改正によりトラック運転手の時間外労働規制が入るため輸送能力が大幅に低下することが予測されている。
これに対しイオンは下記4点をこの春から実施するとのこと。
①時間にこだわらず、「積載率最大」での輸送
②AIを活用して最適ルートを設定
③荷下ろし作業削減でドライバーの負荷低減
④トラックだけでなく鉄道も利用(モーダルシフト)
特に②の施策では対象トラック150万台に適用し、輸送距離で2,800万キロメートル、15万台のトラック削減に貢献できるとしている。もちろん環境面での効果も大きい。
交通渋滞の予測技術は住友電工と京都大学が共同で開発した。警視庁から提供された都内の交通データの学習と直近1時間の交通量、渋滞距離をもとに1時間先の渋滞距離を予測するもの。計算結果と実際の渋滞距離との差は40メートル以下とかなりの精度である。
またライオンは荷待ち時間の短縮対策も実施しており、楽天は「急がない便」の設定をしている。
さらにドライバーと荷主のマッチングなども始まっており、ドライバーの働き方のに寄り添った動きも進んでいる。
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2024年問題はかなり大きな問題であり、物流が滞ったら日本経済に与える
影響は大きい。物流の混乱はお客様の生産計画を混乱させる可能性があり
輸送能力の確保は大きな問題である。
荷主の生産計画の混乱でトラック運転手を長時間待たせたり、また急ぎの出荷指示により積載率が低いまま輸送することもこれまではあっただろう。
自社の生産を予定通りに行うことはもちろん重要であるが、デジタルの力を使って
最適な配車を行うことはかなり重要であると思われる。
規制は経済にマイナスの影響も与えるが、それを乗り越えるための新た技術も生み出す。今回紹介されているものは2024年問題のソリューションとしてはごく一部かもしれない。これを横展開することで新たなソリューションが生まれ経済も活性化するのではないか。

