そんなわけで 白黒写真は

ロバートキャパの撮った

1949年のマティス、

ヴァンスの礼拝堂の制作場面です。

 

本日はこの一枚を

ご紹介できたらと思います。

 

 

アンリマティス ヴァンスの礼拝堂 ロバートキャパ

 

 

ロバートキャパは

第二次世界大戦中

報道写真家として活躍した人物です。

 

写真家の

権利と自由を守ることを目的として

1947年にマグナムを設立し

 

写真に備わる記録と芸術の二面性、

フォトジャーナリズムの礎を築きました。

 

ロバートキャパ

 

 

戦場写真家のイメージの強いキャパですが

優れた肖像写真家でもあり

 

親しい友人であった

アーネスト・ヘミングウェイ

ウィリアム・フォークナー

パブロ・ピカソ

アンリ・マティスなど

多くの芸術家たちを撮影しました。

 

 

 

あらためて、1949年に

ニースで撮影された写真をみると。

 

ロバートキャパの撮った  アンリマティス 1949年

左はロザリオ礼拝堂の聖ドミニコ師、マチスの背後はキリスト受難の下絵と思われます。

 

有名な写真はふつう

カメラマンが有名か

被写体が有名かのどちらか。

 

けれど両者ひけをとらない

スーパースターです。

一歩間違えると船頭さんが

2人いる状態ですが

混乱は1つもありません。

 

 

そんな事を考えたらふと

下記の文章を思い出しました。

 

リーダーが持っているべき資質として、次の3つがあると考えます。

一つ目は

その場にしっかりいられる能力

二つ目は

相手を大切にし、相手に関心をもつこと

三つ目は

相手にとって最善の結果になるよう貢献すること

 

リーダーが

コンパッションを持つことで

組織は心理的な安全性のある場所になります

 

※参考文章1. 今リーダーに求められる「コンパッション」とは

 

 

 

キャパの1936年の出世作

「崩れ落ちる兵士」に関しては、

本当に真実を捉えた写真であるのか?

検索すると山ほど論議が出てきます。

それに対して落胆したり

批判的にみることも簡単です。

 

一方、それが真でも贋でも

その後の彼の全ての写真が

文句のつけようのない傑作だと

誰もが感じる。

親愛の気持ちが変わらず

見限ることができない。

 

ある意味で人を信じていないと

撮れない写真だから、

私はそのことを知ると

キャパの写真をどう見て良いか

わからなくなりました。

 

でも今では、生前キャパが

何も語らなかったことに、

それを言って何になるのか

それをやって何になるのか

自分なりの筋を通しながら

自分で自分を助ける

みたいな凄みを感じます。

 

 

 

一方マティスは、最晩年

この礼拝堂の制作の際に

ピカソにこんな質問をされます。

神様なんて信じていないのに、

なぜキリストや聖人の絵を描くのだ?

 

マティスはこう答えます。

自分のことに気持ちを集中させているだけだ。

神を信じているかどうかはわからない。

肝心なのは、祈りに似た心理状態に

自分自身を置くことなのだ

※参考文章2. 「ピカソとの日々」

 

 

 

芸術家は馴れ合いで

できることではないのですよね。

 

ゆるすこと

見かぎらないこと

全てを超えたところで

自分は何を信頼し、

何をする人間なのか。

 

 

一枚の写真を通して

そんな事を考えました。

 

 

 

参考文章

1.Business Insider Japan  今リーダーに求められる「コンパッション」とは

2.フランソワーズ・ジロー「ピカソとの日々」(野中邦子訳、白水社)

 

 

 

 

 

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