実は私、この日本の原作ドラマがとても印象に残っていたので、
今回の「その冬、風が吹く」(以降「その冬」と略します)も楽しみにしていたんです。
でも、ドラマを観終わってもな~んかすっきりしなかったので、
ここ数日で改めて「愛なんていらねえよ、夏」(以降「愛なんて~」)を全話みなおしました!
たぶん相続者たちdvdノ・ヒギョン作家が「理解するのに苦労した」
という日本的な部分が、日本人の心の琴線に触れるのだろうと思います。
やっぱり、「愛なんて~」は素晴らしいドラマでした。
しかし、「その冬」の良さは、逆にとても韓国的だったことでしょうか。
登場人物の徐々に変わって行く感情の変化を丁寧に描いてくれているので
愛を知って、愛を知った故に変わって行くしかない心を見事に描き出しています。
その愛もかなり甘めで、兄妹でありながら、描かれ方はまさに男と女
初めから恋愛ストーリーを意識した2人の関係性でした。
ドラマ話数も日本は10話なのに対し、「その冬」は16話あるので、
ずいぶん話が膨らんでいる気がしました。
オ・スの初恋の相手が亡くなるバイク事故のシーンなども、
「愛なんて~」では映像として登場しないので、視聴者は話から想像するしかないけれど
「その冬」ではそういう場面もきちんと映像として見せています。
また、「愛なんて~」では話だけだったヨンの兄の事故現場に
ヨンを居合わさせたり、展開もよりドラマチックになっています。
ヨンは視覚障害者ですが、ボランティアをしたり、会社の仕事もして、
社会に積極的に係わっていたし、自由に外出して表面的には楽しそうに見えました。
ハイヒールを履いていることで、韓国でも問題になりましたが、
ノ・ヒギョン脚本家の「ドラマを通じて先入観と偏見が少しでもなくなってほしい」
という考えからだそうです。
それなのに、ハイヒールで転んでずぶぬれになったり、一人歩きでヤクザに襲われたり、
辛い目に遭わせるのは、いかがなものかと思いました。
「愛なんて~」で入院前の最後のデートは熱海の素晴らしいオーシャンビューのホテル。
目が治ったら、この景色をまた見に来るといいとレイジが言っていましたが、
「その冬」でのオ・スとヨンは牛を見に行って、屋台の小豆粥でした。
別にそこは海の見えるオシャレなレストランでパスタでもいいところなのに、
ノ・ヒギョンさんの遊びなのかこだわりなのか。。。
美しい映像美で話題のこの作品の中でも、スタイリッシュなドラマを作らず
あくまで庶民に寄り添ったドラマになっていました。
さらに「愛なんて~」ではひとりも登場しない「家族」が登場します。
オ・スは樹の下に捨てられていた孤児だけれど、乳児院からジンソンの両親に引き取られ、
ジンソンがうらやむほど大事にされた。と、ジンソンが言っていました。
ジンソンの夢も口蹄疫で失った両親の牛を買うという家族の幸せのためです。
「愛なんて~」は<孤独><愛されない>という事が大きなテーマですが
「その冬」には、想い合う家族がいるし、愛情が存在するんです。
私が感じていた違和感は百年の花嫁 DVD、愛があるのに、なぜ!!!
という疑問をずっと感じ続けていたからかもしれません。
キム社長、ソラ は罪に問われないのか。
ワン秘書の罪はどうなるのか。
最終話ムチョルの事を聞いたオ・スの無反応はなぜか。
というあたりも、解決しないままだったのも気になりました。
しかしながら、冬の美しいシーンがたくさん描かれていて
澄んだ冬の空気感と情景、愛ゆえの葛藤は、俳優たちの研ぎ澄まされた演技力で
美しく描かれていました。
このドラマの脚本家ノ・ヒギョンさんは「愛の群像」や「彼らの生きる世界」などを
書かれました。このリメイクドラマについても、一度はお断りになったそうです。
韓国人特有の「人情」を得意とするノ・ヒギョンさんが、
もっとも「人情」とは遠いドラマをリメイクしたというのも不思議な気がします。
一方「愛なんていらねえよ、夏」の素晴らしさはドラマの舞台設定からです。
レイジは日本最大の歓楽街「歌舞伎町」のホストクラブを経営しています。
亜子は緑豊かで海も近い鎌倉の邸宅に住んでいます。
まずは、この2人の暮らす場所が真逆だというところ。
レイジはホストですから、甘いセリフや嘘でお金を出させるのが仕事。
亜子をだますことも、商売の一環でしかない。
