ギターを弾くサル2(オールド・ロック編) | 秋 浩輝のONE MAN BAND

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はじめに言葉はない

人間界には、ひたすら求道的にギターにのめり込み、弾きまくる「サル」がたくさんいる(もちろんサルは誉め言葉)。我々はそのひたむきな姿勢とテクニックに感動し、あらん限りの熱い拍手を送るのである。

 

 

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サル1

アルヴィン・リー

サルのように弾きまくるロック・ギタリストで、はじめに思い浮かんだのは、テン・イヤーズ・アフターのアルヴィン・リーである。1969年ウッドストック・コンサートに出演し、超速弾きで注目された。たしかにその当時、こんなに速く弾けるギタリストはいなかった。70~80年代になると、次々と速弾きを売りにしたギタリストが出現し、ライトハンド奏法なども編み出されていく。テクニック、奏法は必然的に進化していくものだ。ただ、演奏テクニックと音楽性とはまったく別物であることは言うまでもない。音楽性や感動は数値化できないものだからである。

I'm Going Home

 

 

サル2

リッチー・ブラックモア

言わずと知れたディープ・パープル、レインボーのギタリスト。70年代を代表するスーパー・ギタリストだ。ストラトキャスターを極限まで使いこなし、テクニック的にも群を抜いていた。この時代のロッカーは破壊衝動が凄まじく、リッチーはステージで自身の弾くストラトキャスターを度々破壊していた。

 

アップした動画は74年のカリフォルニア・ジャムの時のものだが、この日だけで数台叩き壊している。たくさんのバンドが出演したイベントだったが、ディープ・パープルとEL&P(エマーソン、レイク&パーマー)のどちらがトリを取るかで揉め、ディープ・パープルはEL&Pに敗れてしまった。夕闇の中で演奏したかったのに、まだ陽が落ちていない時間帯から演らざるを得なくなったリッチーは気分が乗らない。イライラが高じたリッチーは、ストラトをテレビ・カメラに叩きつけ、カメラを1台ぶっ壊してしまった(1:20~)。スモークの中でステージに火は点けるわ(3:07~)…まぁ、これはあらかじめ決まっていた演出だろう。今なら消防法の規制があり、絶対許されない。アンプを次から次へとステージの下に落とすわ(4:27~)、大暴れである。おかげで時間が圧してしまい、EL&Pは演奏時間を短縮せざるを得なくなってしまったという。この時のことをグレッグ・レイクはこう述べている。

「あの日、リッチーは悪い子供になっていた(笑)」

ステージ上の演出がほとんどだろうが、テレビ・カメラを破壊したことだけは許されることではないし、別に武勇伝だとも思わない。この時代、自分の不満や欲望を抑制できない未成熟なロッカーが多かっただけのことである(今も同じか?)。

Destruction Solo

 

 

サル3

インヴェイ・マルムスティーン

メカニカルで正確無比な超速弾きのフィンガー・テクニックは、70年代のギタリストよりも遥かに上だ。クラシカルなスケールを多用して、流れるようなバッハなどのクラシック曲を楽々と弾きこなす。動画では、バッハのリュート組曲No.1のブーレが途中で挿入されている(1:58~2:48)。この曲を好んで取り上げているロック・ギタリストは多い(ジミー・ペイジとか)。ちなみに僕もよく弾いていた。インヴェイの影響を受けたギター・キッズは多かったと思う。

Guitar Solo

 

 

サル4

ポール・ギルバート

ミスター・ビッグのギタリスト。ドリルを使ってギミックなプレイを披露したりもするが、基本はとてもオーソドックスで音楽的なアプローチをするギタリストだ。なぜかEL&Pを好み、キース・エマーソンのキーボード・フレーズとグレッグ・レイクのギター・フレーズを混ぜてギター1本で弾くというとんでもない荒業を見せてくれた。テクニシャンである。

Guitar Solo

 

 

サル5

エドワード・ヴァン・へイレン

つい先日(2020.10.6)、病気で亡くなってしまった。享年65歳。ライトハンド奏法の創始者。むちゃくちゃ難しいことをいつもニコニコ笑いながらプレイしているイメージ。ギターを弾くのが楽しくて楽しくてしょうがないみたいな。だが、おそらく人が見てないところで、思い悩みながら凄絶なエクササイズをこなしていたのだろう。彼こそがギターを弾くボスサルかもしれない。音楽とは元々ハッピーなものなのだという当たり前のことを気づかせてくれた人である。合掌。

Eruption Guitar Solo

 

エディ、安らかに…