陽水セカンドアルバム『陽水Ⅱ センチメンタル』
タイトル通り、センチメンタリズムに溢れた曲で占められている。陽水のセンチメンタルさが好きな人は、もっとも好きなアルバムだと言う人が多い。落ち込みたい人は、部屋を暗くして、独りでこのアルバムを聴けばいい。
つめたい部屋の世界地図
はるかなはるかな見知らぬ国へ
ひとりでゆく時は船の旅がいい
波間にゆられてきらめく海へ
誰かに似てるのは空の迷い雲
潮風に吹かれなにも考えず
遠くを見るだけ
やさしさが壊れた海の色は
たとえようもなくて悲しい
つめたい部屋の世界地図
アルバムの一曲目。オーケストラのチューニング音のあと、ギターのアルペジオが奏でられ、陽水の透明感に溢れた声が部屋を包んでいく。「透明感のある声」という形容はあちらこちらで聞くが、陽水の声ほど透明感のある声を持った歌手は滅多にいないと思う。特にこの時期の陽水の声は絶品と言ってもいい美しさだ。スケールの大きなこの曲を、この時期の陽水以上に歌える歌手はいないと思う。
やさしさが壊れた海の色とは、どんな色なんだろう?
紙飛行機
白い紙飛行機
広い空をゆらりゆらり
どこへ行くのだろう
どこに落ちるのだろう
きょうは青空が隠れている
風が吹いてきたよ
風に乗れようまく
だけどあまり強い風は
命取りになるよ
君はプロペラを知らないのか
雨が降ったら
弱い翼は濡れてしまう
強い雨も風も
笑いながら受けて
楽しく飛ぶことも
悪いことじゃないよ
だけど地面に落ちるまで
短い命だね
君は明日まで飛びたいのか
紙飛行機
AKBの365日の紙飛行機ではない。エセっぽいポジティヴさよりも、堂々としたペシミズムのほうがストンと腑に落ちる。紙飛行機は強い風は命取りになるし、雨が降ると翼が濡れる。そして…地面に落ちるまでの命。絵に描いたようなマイナス思考だが、同時に現実を見据えた冷静な考え方でもある。だが、そこに人は哀切を覚えるのだ。いかにも陽水らしい。
