キミを陥落したくて、あの手この手と策略を練った。そんな若き日に嫌悪感を覚える。今でも思い出すと、ああああと叫びたくなる。どこまでダサかったんだろう。どこまで恥知らずだったんだろう。大事なことは見落として、煌びやかなキミの外見しか見てなかったんだ。細かいことを言えば、骨のカタチや、穴のカタチや、生えた毛の艶やかさや、皮膚の色や滑らかさや、目や鼻や口のカタチや大きさや角度や。そして、キミを指標として、ボクは取り巻く女たちを見ていたんだ。
ボクの堕落は、過度のペシミズムが原因だった。若き日の劣等感をいぶした行動は、今でも思い出すと、おおおおと叫びたくなる。どこまで馬鹿だったんだろう。どこまで頭が悪かったんだろう。大事なことから目を逸らし、くすぶった景色や絶望しか見てなかったんだ。細かいことを言えば、言葉の濁りや、黒煙の濁りや、ヘドロの混ざった川や海の濁りや、精液や卵子の濁りや、国や大陸の大きさや虚栄心や。そして、キミを指標として、ボクは取り巻く邪気を見ていたんだ。
輝かしき未来を観ることができなかったキミとボクのベクトルは、捻れた位相にあるのに、なぜだかよく交じり合っていた。。。
