日蝕3 | 秋 浩輝のONE MAN BAND

秋 浩輝のONE MAN BAND

はじめに言葉はない

母は「事故」で死んだ

私はそのことに無感情だった

 

母の遺影は笑っていた

唇の曲がった嘲り笑いだった

 

母が死んだのは、私が義父との「昔話」をした直後だった

母は神妙に頷いたあと、無感情の私を強く抱きしめた

とっくの昔に死んだ義父と

更なる決着をつけると言いながら

 

義父の葬儀に来ていた刑事が

母の葬儀にも姿を現した

そして、私の一挙一動を訝しげに見つめる

 

母の葬儀の日は金環日蝕だった

覆い尽す本影の回りを陽が取り囲んでいた