詩小説 Dream On(再) | 秋 浩輝のONE MAN BAND

秋 浩輝のONE MAN BAND

はじめに言葉はない

僕は今までの人生のほとんどを暗い顔で生きてきた

笑った時間は数えられるほど僅かだ

君も僕と同じ暗い顔で生きてきたと言う

何度も男に弄ばれ、飽きられるとすぐに捨てられたと言う

 

だから、残りの半分の人生はふたり明るい顔で過ごしたい

痛みや苦しみを分け合いながら、ふたりで生きてゆきたい

君と一緒に楽しい想い出をたくさん作りたい

今までのツマラナイ人生を睨み返してやりたい

 

だけど、或る日突然、君は消えてしまった

 

思い当たる理由は何もなかった

僕は雨が激しく降る日も、雪が降り積もる夜も

生まれて初めて愛した君を探し続けた

 

そうして僕はやっと君を見つけ出した

君は遊び人風な男と一緒に歩いていた

問いただすと、その男は元彼だと言う

またつき合いたいと言われて元鞘に戻ったのだと言う

 

僕は君と元彼を登山ナイフでめった刺しにして殺した

軽々しく付いたり離れたりするアメーバのような人間が大嫌いだからだ

 

血の海が拡がる中、今起こっていることは夢だと気づいた

僕は、寝ている間、何度も呼吸が止まる無呼吸症候群だ

呼吸が止まる都度、脳波がぐじゃぐじゃになり

毎日のようにそんな悪夢を見ていたのだ

 

幼い頃、酒乱の父から散々謂れのない暴力を受けた

そして、ずっと強迫観念の中で生き続けてきた結果

起きている間は過呼吸、

寝ている間は無呼吸を繰り返すようになっていた

 

僕は残りの人生の半分もきっと

暗い顔のまま生き続けるだろう

いつもどんよりと曇った顔で

ロクに喋ることも出来ない僕は

死ぬまで人から愛されることはないだろう

 

僕がただひとつ望むことは

暗い夢から解放され、明るい夢を見ることなのだ

 

Dream On

Dream On

Dream On……

 

2015.12.19