「えっ! ひどーい!」
君はいつもと同じ調子で僕の肩を叩く
おどけて返したように見えるけど
君の目は笑っていない
たぶん直情的に怒って
幅のない人間と思われたくないんだろうな
でももうとっくの昔に忘れたと思っていたのに
やはり君は忘れていなかった
「あの時の言葉は忘れない だから別れたい」
悪気があったわけじゃない
人間って「はずみ」ってのがあるじゃない?
本音じゃないこともあるんだよ
ゴロゴロと転がっていた車輪が
予定外のところで止まっている
まるで慣性の法則を無視するように
それがふたりの終着点になろうとは……
それは君の仕組んだ罠だと 今やっと気づいた
君は僕の知らない世界をたくさん持っていたんだ
2015.11.7
