生まれもっての自由を盾に 俺は生存権を主張した
だが 21☓☓年現在の日本は厳しいルールだらけの世界だ
ルールに従わなければ 厳罰を受けなければならない
人を殺めれば 無条件で死刑だ
情状酌量などというものはこの時代にはない
俺は俺をさんざん苦しめた女を殺めて 死刑判決を受けた
もちろん自分で自分を殺してもいいわけだ
死んだ人間に罰を与えることはできない
俺は自死を選んだ……
だが あの世にもルールはあった
身近な人の心に悲しみや苦しみを植え付け
自分だけが楽になる自死を罰する
利己安楽罪というものがあるらしい
罰則は 永遠に人間に転生することができず
浮遊霊となって現世を彷徨い続けなければならないのだそうだ
だが 現世で他人の悲しみや苦しみをつぶさに観て
本心から共感することができるようになれば
地獄の案内人に昇格することができるらしい
俺は浮遊霊になってからは
自死家族の悲しみと苦しみを嫌というほど観てきた
観る度に心が痛み ボロボロと涙を流した
自分の罪深さを嫌というほど知った
そして俺は今 地獄の案内人に昇格した
ふふ
このぶんだと やがていつかは人間に転生できるかもしれない……
喝!!