戻れない | 秋 浩輝のONE MAN BAND

秋 浩輝のONE MAN BAND

はじめに言葉はない

僕たちの関係は不可逆そのものでさ

離れ離れになったら

顔を思い出すことすら困難で

痛みも哀切も感じないのが一番いいんだよ



ふたりの契約が切れたら

一目散にこの場から走り去るんだ

妙にべたべた未練を残しても

良くなることは何もないからさ



ぎらついた目で血管を浮かせながら

暗がりの中で自虐を貪るのは

今、気持ちが落ち着くだけでさ

ODしてナイフで体を切り刻み続けて

いつか後悔という二文字が浮かばないって

ほんとうに言い切れるのかな?



死を間近に感じ始めた時

内臓や背骨や歯はボロボロで

心臓は締め付けられて脳はぽわんとなって

大事なものを次から次へと無くしていって

誰からも見向きもされなくなっても

ほんとうに後悔しないのかな?



あのさ

僕が僕に訊いているんだよ!

でも……僕ってふたりいるのかな?